和風浴槽の工期が大幅短縮

 温泉旅館に納入すると、その機能性に加え工期の短さが喜ばれた。

 素材を現場で組み合わせて据え付ける従来の施工方法に対し、アステックは事前に浴槽を仕上げた状態で持ち込んで設置場所にはめ込む。このため、工期が従来の半分以下で済む。旅館の要望に合わせて石や木材の組み合わせなどデザインも自在だ。国内でアステックの和風浴槽を導入した旅館、ホテルはすでに70を超える。

 旅館との取引で事業を拡大したアステックは、「旅館の雰囲気を家庭に」というコンセプトで2007年、家庭向けにユニットバスタイプの和風浴槽を発売。オーダーメードに比べて約半分という安価で和風浴槽を楽しめるとあって、高級マンションなどに導入が進んだ。冒頭のマリオットの客室もこのユニットバスシリーズが採用された。

 アステックは海外進出にも意欲的だ。同社の和風浴槽は、15年に一般社団法人のクールジャパン協議会(京都市)が主催する「クールジャパンアワード」を受賞した。16年にはシンガポールの市場開拓を狙い、現地にショールームを開設。同年4月にはイタリアでのインテリアの国際展示会「ミラノサローネ」にも初出展した。このミラノサローネがつないだ縁が、いま、アステックが期待する新事業だ。