東京・二子玉川にある蔦屋家電に行ったときにも、アマゾンとは違うところに行こうとしているんだと感じました。

徹底的な「顧客視点」で店舗を見る(写真=菅野 勝男)
徹底的な「顧客視点」で店舗を見る(写真=菅野 勝男)

増田:ぼくらは家電の素人でしたがライフスタイルを提案する蔦屋家電を15年に直営で開きました。それを評価してくれた家電量販店大手のエディオンがFCとなって今年4月、広島に大型の蔦屋家電を開業しました。

 ネットで買える時代に、消費者は高い頻度では家電店に行かないようになっているのではないでしょうか。蔦屋家電は、そうした課題を解決するのです。

映像のレンタル市場は先細りで、CDなどの音楽ソフトの販売も同様です。どのように逆風に対処しますか。

増田:TSUTAYAは1421店舗あります。そのうち、本の扱いがある店舗は812店舗。僕はこの1400以上のTSUTAYA全部に本を入れていこうとしている。FCの加盟店に対してもレンタル専業の店は、もう業態転換しましょうと、僕からも言っています。

米ネットフリックスが日本で事業を始めるなど、映画やドラマの映像ソフトはネット配信がますます広がっています。

増田:それは何も反論しません。僕らが今からレンタル店をつくりましょうと言っても乗る人はいないですよ。

CCCは、動画配信などネット事業の展開には出遅れた印象です。

増田:そんなことは至極簡単で、僕らはやっぱり、FC加盟店のビジネスを毀損することは遠慮したんです。

日本全国で書店の閉店が続いていて、書籍全体の市場が縮小している中で、CCCの書籍販売が増えている理由は何でしょうか。

増田:僕らの場合、FCビジネスなので、もうからないと加盟店はやりませんよ。複合店舗を展開することでもうかる構造になっているのです。昔はレンタルと書籍販売を複合していましたが、今はさらにカフェや文具と複合して、業容を広げています。代官山 T-SITEは非常にコストの高い場所です。あんなところで書店を出して見合うのかと皆さんに言われました。でも、全体としては成り立っているんですよ。

そもそもCCCは「何をしている会社」なのでしょうか。

増田:僕らは3つの仕事しかしない。一つはプラットフォーム。企画会社としてプラットフォームを作りお客さんをハッピーにする。これがTSUTAYAや、Tカード、蔦屋書店です。

 次に、データベースマーケティングです。様々な企業で使われている当社のTカードによって、おおよそ(購入金額ベースで)年間7兆円分程度のデータが集まります。ただし、プラットフォームとデータだけでは、お客さんは幸せになれない。3番目がコンテンツです。

 ライフスタイル、つまり『こういうものがすてきじゃないですか』と提案できるコンテンツです。巨大な百貨店がたくさんの商品を用意して、長時間営業をしたとしても、もうお客さんは来ない。その中身が何か、なのです。

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