患者が腕利きの医師を探せる「名医検索サービス」を提供。 過酷な労働を強いられている医師や医療現場の救世主となる可能性も秘める。

家から近い、看板を見たなど単純な理由で病院を選び、診療台に横になったときにふと頭をよぎる。この医師、腕は確かだろうか ──。
患者のこうした不安を払拭するサービスが登場した。クリンタル(東京都港区)が昨年5月に首都圏を対象に始めた、名医検索サービスだ。同社の杉田玲夢・社長兼CEO(最高経営責任者)は「目指したのはミシュランガイドの病院版」と話す。サイトに掲載するのは病院ではなく、個々の「名医」の情報だ。
医療の知識は複雑で専門性が高く、どこの医師がいいのかはなかなか分かりにくい。杉田社長は医師免許を持っており、大病院で眼科医として勤務した経験もある。「医療レベルの高い医師を我々が選んで掲載し、患者がその中から選べる仕組みにした」(杉田社長)。
厳選した「名医」だけを掲載
クリンタルのサービスは、「疾患ごとの名医検索」と「街の名医検索」の2種類ある。前者は、かかりつけの病院などで「確定診断」がついた人を対象にしたサービスで、診療科と疾患名を選択すると、約1580人の中から自分にあった「名医」を探し出してくれる。インフルエンザや風邪などの疾患ではなく、より専門性の高い診察や手術が必要な人の利用を想定する。
●「名医一覧」に掲載している医師の数

例えば食道がんの手術を考えている患者の場合。診療科を「消化器外科」、疾患を「食道がん手術」と選ぶと、サイトの画面上に「技術」「学術」「受診しやすさ」の3項目を5段階で評価した「名医」の一覧が表示される。
医師の名前、所属に加え、年間の食道がん手術数や専門医としての資格、論文の件数や手術までの待機期間など関連する詳細な情報も併せて確認できる。口コミ情報で飲食店を選ぶような感覚で、医者を探すことができるのだ。
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