将来は無料化で差別化図る

 本部が一括して店舗の運営、管理を担うために導入したのが遠隔管理システムとコールセンターだ。35台のテレビモニターを設置した本社の一室で2~3人のスタッフが24時間体制で管理する。店舗の洗濯機と乾燥機はすべてアクア製で、同社の「ITランドリーシステム」を使って稼働状況を把握。誤作動のリセットやドラム内の清掃などを遠隔操作する。

 店舗には4台のカメラを設置。使い方が分からなかったり、マシントラブルが起きたりした場合、カメラの映像を見ながら、利用者とマイクを通じて話すことができる。スタッフが店舗を回るのは清掃や集金のときなどだけだ。

 業務用洗濯機の耐用年数は13年で長期的には修繕費や買い替え、建物のリニューアル費用などがかかるが、収益性の高さと本部が現場の運営を一手に担う仕組みが魅力となりFCオーナーを呼び込んでいる。

 昨年11月には東京証券取引所マザーズと福岡証券取引所Qボードに上場。新規出店エリアでの直営アンテナ店の開設を進める。コンセプトを伝え、さらなる加盟を獲得していく考えだ。

4年で4倍以上に成長
●WASHハウスの売上高の推移

 共働き世帯が増えたことなどからコインランドリーのニーズが高まっていることも追い風だ。今後は家庭の布団を丸洗いして乾燥までできることをアピールして利用者を増やしたい考えだ。

 最近ではチェーン展開する競合も現れた。「当社のビジネスモデルは簡単にはまねできない」(児玉社長)とは言うものの、利用者にとってはWASHハウスを選ぶ決定打に欠ける面もある。技術的には既に成熟し、洗濯、乾燥自体の性能ではどのコインランドリーも大きな違いがないからだ。

 「最後は認知度と価格の競争になる」と話す児玉社長は「究極的には利用者の料金を無料にして、コインランドリーを集客の場にする。周辺の商業施設のクーポンを発行するなど広告で収入を得るモデルにしたい」と大胆なアイデアを披露する。さらに海外展開も視野に入れ、米ニューヨーク出店の準備を進めている。

(宇賀神 宰司)
(日経ビジネス2017年5月15日号より転載)