震災後に売り上げ10倍に

缶詰パンの売上比率が高まる
●売上高と缶詰パンの売上比率

 松尾氏の執念は実を結んだ。2007年の販売直後は月に数千缶だった売り上げが、2011年の東日本大震災後には一気に約10倍の数万缶になった。うち約7割が法人需要。「期限切れ間近で社員に配布する際に、ボローニャFCのパンは女性社員が持ち帰ってくれて無駄にならないと言われている」(松尾氏)。法人の備蓄食料の期限が5年のものが多いことから、5年保存が可能な缶詰パンを開発するなど、商品改良を続けている。

 最近では、顧客ごとに特別にデザインしたラベルを貼った販促グッズとしての売り上げも増えている。非常食なので3年間は机の上などに置かれ、宣伝し続けてくれるというわけだ。

 非常食のパンはまずいという常識を覆したボローニャFC。ただ松尾氏は「缶詰パンを通常のパンと同じ味にするまで改良する」と満足した様子はない。非常食はおいしい、が常識になる日も近い。

(日経ビジネス2016年4月18日号より転載)