携帯のように分単位で課金

 マナボの特徴は大きく2つある。まず柔軟な料金体系だ。携帯電話の通話料のように、分単位で課金する。

 生徒は月謝として1時間分の2480円を支払う。例えば1問当たり5分かかる場合、12問分の指導を受けられる。もっと教えてもらいたい場合は、もう1時間分の権利を追加で購入する。先生にも分単位で謝礼が支払われる。

 渡辺さんは1カ月当たり5時間分を購入している。「節約するため、要点だけを絞って質問している」(渡辺さん)

 もう一つの特徴は生徒が家庭教師を自由に選べることだ。一般的な家庭教師は1人で複数の科目を教えることが多い。これに対してマナボは質問ごとに先生を変更できるので自由度が高い。

<b>飲食店の口コミサイトのように、受講生による先生の評価が掲載される</b>
飲食店の口コミサイトのように、受講生による先生の評価が掲載される

 生徒は受講後に先生の教え方を5段階で採点する。飲食店の口コミ情報を掲載している「食べログ」のような機能で、この評価が先生を選ぶ際の判断材料になる。

 さらに生徒は、先生の自己紹介文や過去の指導履歴も参考にしながら誰に教わるのかを決める。「2500人も先生がいるので、24時間365日体制で質問を受けられるのが強みだ」(三橋社長)。家庭教師をする学生にとっても、自分が働きたい時だけ、自宅で教えられるので効率が良い。

 マナボはこのサービスを学習塾にも提供する。最近は大手塾とは違い、少人数クラスで指導する小規模な塾も多い。こうした塾ではすべての教科を教えられる講師を常時抱えられない。そこでマナボのサービスを利用するのだ。

 川崎市の学習塾「ユニバースクール」の自習室にはマナボで質問するためのタブレットがあり、生徒はこの端末を使って質問できる。湯浅浩章代表は「全科目を教えられる先生を常駐させるのは難しい。必要な時だけ使えるマナボは使い勝手が良い」と話す。

 さらに5月からは「Z会」で知られる増進会出版社の通信教育で学ぶ中学3年生全員に1時間分の利用権を付与。同社が費用を負担し、生徒の疑問点を解決するサービスとして提供する。こうした企業向けサービスの強化で、多数の生徒を獲得し、会員数を飛躍的に伸ばそうとしている。

受講生の数は大幅に増えている
●マナボの受講生の数
受講生の数は大幅に増えている<br /> ●マナボの受講生の数

 三橋社長がマナボを創業したのは東大大学院に在学中の12年。自身の生い立ちが起業につながっている。三橋社長の父は画家。渡仏した経験があり、評価も高かったという。だが帰国後は収入が安定せず、家計は苦しかった。「電気、ガス、水道は止まるのが当たり前だと思っていた」(三橋社長)

 公立中学に進んだ三橋社長は、宇宙飛行士になる夢を描いた。そのためには東大への入学が近道と考え、高校から有名進学校を目指すことを決めた。だが学力が足りない。学習塾に通いたいと訴えたが、親は首を縦に振らない。

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