仕入れの計画段階からコントローラーに入ってもらうことでバイヤーに緊張感が生まれる。コントローラーも、商品を売り切らねばならないという責任感が高まる。お互いがけん制し合うような関係にした。

 さらにコントローラーの人数を増やして1人当たりの担当店舗数を減らし、その代わりに担当する商品分野は広げるように仕組みを変えた。担当店舗が減り売り場を回りやすくなったほか、幅広い商品をみることで、複数の売り場の連動を意識させ相乗効果を出すことも狙った。

悪循環からの脱却
(写真=2点:竹井 俊晴)

値上げしても売れる商品

 在庫のたまりにくい体質へと立て直し、浮上への道筋をつかんだしまむらが2016年以降目指すのは「グループ店舗数3000」という目標を見据えた次の成長モデルの模索だ。

 主力業態の「ファッションセンターしまむら」は、1345店舗。2002年に47都道府県全てに出店している。

ユニクロを展開するファストリに次ぐ規模
●アパレル売上高ランキング
注:売上高は2014年度。ファーストリテイリングは2015年8月期。イオンリテール、イ トーヨーカ堂は衣料部門の売上高

 店舗数はユニクロの約800を大きく上回る。だが、都心の一等地に店を構えることも多いユニクロに対し、しまむらは約8000世帯という、人口がさほど集中していない商圏を中心に出店してきた。売上高に占める家賃比率を5%前後に抑えるなど出店コストを厳密に管理していたため、郊外や地方への出店が多かった。

 しかしここまで店を増やすと、今後の出店余地は家賃の高い都市部以外にあまり残されていない状況となった。ここ数年の出店ペースは30弱と、徐々に鈍化している。

 都市型店舗の出店も増えてきたが、ショッピングセンター内やビル店舗に入居するといった形が増えているため、これまでロードサイド型の店舗で培ってきた低コスト運営のノウハウが通用しにくい面もある。

 しまむらの2015年2月期の売上高に占める販売管理費は24.7%だった。良品計画やニトリなど値ごろ感のある商品を売る小売りチェーンが30~40%程度なのを見ると、しまむらが、これまでコストをいかに低く抑えて利益を出してきたかが分かる。だが都心部への出店を強化すれば、この数字が維持できるかどうかは分からない。

 仕入れコストも上昇した。「過去2年間の減益は、為替の円安傾向という要因も大きい。同じ値段で売ろうと思ったら、商品のグレードを下げなければならないところまで来ていた」と、北島氏は話す。

 都市部にも店を出しながら、成長を維持するためには、これまでより厚い利幅を取れる商品を強化する必要があるだろう。

 試みは、既に始まっている。その一つが、2015年秋冬のヒット商品「裏地あったかパンツ」に代表される比較的価格の高い商品の投入だ。