
入り口に据え付けられたウエルカムボードに始まり、ウエディングケーキへの入刀に豪勢な食事。幸せいっぱいの新郎新婦は、祝福に集まった親族や友人達の笑顔に包まれた。外見的には通常の結婚式と何ら変わることはないが、「会費婚」というコストを抑えた形で実現した。
「お金がなくて結婚式は諦めていたが、会費婚サービスのおかげで実現できた。妻も自分も後悔せずにすんだ」。2月に横浜市で挙式した男性(30代)は笑顔でこう語る。
手掛けるのは東京都渋谷区に本社を置くアールキューブ。自らを「結婚式ベンチャー」と呼び、自己資金が少なくても利用できるウエディングサービスを提供している。
会費は一律1.5万~2.5万円
挙式と披露宴を開くとなると、一般的には300万円以上の費用がかかる。会場や披露宴のグレードなどによって上下はあるが、若いカップルには小さな金額ではない。このため入籍はしても、お金のかかる披露宴は断念する「ナシ婚」派も最近は増えている。
会費婚は最低5万円の自己資金から結婚式を挙げられる、というのがうたい文句。内容は人前式の挙式と食事のほか、メークや会場を飾る花、カメラマン、招待状に芳名帳、来場者へのプチギフトなど必要な一式がパッケージされている。新郎新婦がタキシード、ドレスのレンタルを希望すると、必要な自己資金は15万円に上がる。
自己資金以外は、招待客から一律に徴収する1万5000~2万5000円の会費によって賄う。会場やグレードによって会費は変わってくるが、あらかじめ招待客に通知される明朗会計が特徴。一般的なご祝儀相場である3万円よりも会費は低く、招待客の懐にも優しい。
新郎新婦にとっても、会費制の方が収支計画を立てやすいという利点がある。同グレードの結婚式と比べると総費用は半額以下に抑えられるという。アールキューブが国内で初めて導入した「会費婚」とは、どんなビジネスモデルなのだろうか。
まずホテルやレストランなどの式場から、売れ残っている日時のスペースを仕入れることから始まる。
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