
「インテリア業界のパリコレ」とも呼ばれるインテリアデザインの見本市「メゾン・エ・オブジェ」。2016年1月にパリで開催された同見本市では連日、初出展したある日本企業のブースが話題となっていた。それが1本1000円の高級歯ブラシ「MISOKA(ミソカ)」を製造・販売するベンチャー企業、夢職人(大阪府箕面市)だ。
「なにこれ、歯がツルツルになっていく」。フランスなど欧州各国だけでなく世界各地から会場に集まっていたインテリア業界のバイヤーは、夢職人のブースでミソカを試用すると、次々と驚きの声を上げていた。
ミネラル成分で歯がツルツル
2007年に辻陽平社長が設立した夢職人の主力商品がミソカ(1本1000円)。デザインにこだわり、さらに高額な歯ブラシ「イズム(同1400円)」など、ラインアップを増やしつつある。


口コミで話題を呼び、国内での販路を徐々に拡大。東急ハンズやロフトなど大手雑貨店での取り扱いだけでなく現在は、高島屋や三越伊勢丹などの百貨店でも販売している。2014年に台湾で販売を開始し海外に進出。今年は欧州進出を狙い、メゾン・エ・オブジェに出展し、フランスや英国、ドイツなど欧州市場の販路開拓を急ぐ。
歯磨き粉を使わなくても歯がツルツルになるというミソカの秘密は、辻社長が発明し特許を持つ、「歯に親水性コーティングをもたらすミネラル成分の配合技術」などにある。磨いた歯の表面にブラシに塗布したミネラル成分が付着する仕組みで、歯が親水性の状態になる。これにより水が当たると歯の汚れが浮き上がり、汚れにくくツルツルの状態が長持ちするのだ。「具体的なミネラル成分の種類や配合数などは企業秘密」(辻社長)。このミネラル成分をナノサイズまで細かくし、歯ブラシに特殊な付着技術を使いコーティングしていくのが最大のポイントだ。
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