故郷インドでもサービスを展開

 現在、取引先は100社を超え、業界も医薬品、空輸、鉄道、食品など多岐にわたる。2016年3月期の売上高は1億6500万円、今期2017年3月は2億5000万円を見込む。

5年で売上高は3倍に
●アイ・ティ・イーの売上高推移
5年で売上高は3倍に<br />●アイ・ティ・イーの売上高推移

 ガルグ社長はインド出身。1988年に来日して神戸製鋼所に入社し、システムエンジニアとして働いた。後に米インテルに転職。コンピューター向けの冷却システムの開発に携わった経験から、保冷システムに関心を持ち、退職して日本で起業。2年間の研究の後、保冷システムを製品化した。

 2009年、日本航空向けに冷蔵カートを開発したことなどから会社と製品の知名度が上がり、事業を拡大した。2012年には大手医薬品卸のアルフレッサが医薬品の物流でアイスバッテリーを採用。現在、アルフレッサがアイ・ティ・イーにとって最大の取引先だ。

 ガルグ社長は「マイナス50度に対応した保冷剤やアイスバッテリーを使った専用の軽トラックを開発している。用途はまだまだ広がる」と意気込む。

 昨年12月には故郷のインド・ニューデリーに拠点を設け、現地企業とアイスバッテリーを使った牛乳の宅配など新たな事業の可能性を探っている。

 100時間以上の長時間、電気を必要とせず冷凍・冷蔵輸送できる強みを生かせば、日本の食材や医薬品を世界中に届けることが容易になる。日本の産業のさらなるグローバル化に一役買う可能性も秘めている。

(日経ビジネス2016年10月10日号より転載)