ブームの終わり見据えて新事業

DATA
ちゃりカンパニー
2013年設立
本社 埼玉県さいたま市大宮区
吉敷町1-96-5
資本金 950万円
社長 水野純司
売上高 9億5000万円
(2017年8月期)
従業員数 49人
事業内容 中古自転車の買い取り・販売
乗り放題サービスで成長狙う
●ちゃりカンパニーの売上高
乗り放題サービスで成長狙う<br />●ちゃりカンパニーの売上高

 「昔からオシャレなものが好きだった」という水野純司社長。ちゃりカンパニーを始める前は、海外で買ってきた家具や家電、楽器やオーディオ機器などをそろえた総合リサイクルショップを開いていた。そのなかにスポーツ自転車もあった。

 気が付くと、自転車部門だけ業績が異常にどんどん上がっていく。「ブームが追い風になっている部分もあるとの認識はあったが、なんとかしたほうがいいのでは」(水野社長)と考え、総合リサイクルから自転車専門にしたのが創業のきっかけだ。

 「最初から、うまくいきそうという手ごたえはあった」と久保田哲也取締役は話す。リサイクル店事業で大事なのは、商品単価が高く、ユーザーが多く市場が伸びている商品を扱うことだという。もとの商品単価が安いものをコストをかけて商品化しても利益幅が小さい。スポーツ自転車という、高価格でかつ今後も健康志向の高まりなどによる需要が見込める商材に着目した結果、思惑通りに成長することができた。

 しかし、成功にあぐらをかく様子はない。水野社長らは、スポーツ自転車の需要は一時的なブームが押し上げている面もあるという危機感を持っている。「スポーツ自転車自体にもう乗らなくなった」という理由で売りにくる利用者も目立ってきているという。

<span class="fontBold">個人的にも自転車をコレクションするのが好きという水野社長</span>(写真=都築 雅人)
個人的にも自転車をコレクションするのが好きという水野社長(写真=都築 雅人)

 そこで、高額商品であるスポーツ自転車のハードルを下げて、乗る人を増やすという新しい事業の柱をたてた。スポーツ自転車は購入すれば最低でも数万円かかり、高いものでは100万円を超える。「奥さんからなかなか理解されない趣味ではある」(久保田取締役)だけに、値段だけを見て諦めてしまう男性客も多い。それなら女性もターゲットにしようと思い立った。

 まずは実際に乗ってもらわないと、という発想から17年11月に始めたのが自転車乗り放題サービスの「スニークルロングタイムシェア」だ。会員として登録すると、月額3480円で高級タイプの自転車を借りることができる。決まった場所に返却するかたちではなく、自宅に持ち帰って、購入した場合と同様な使い方ができるのが特徴だ。

 車種はロードバイクはもちろん、タイヤが小さく車高が低いミニベロや、坂道も運転しやすい電動アシスト付きといった女性にも使いやすい自転車を多くそろえた。

 現在は東京23区限定で展開しているが、関東圏を中心に順次エリアを拡大していく予定だ。春には新車のスポーツ自転車もラインアップに加える。通常は新車購入の際に店舗の周辺で短時間しか試乗できないことが多いが、1カ月間の試し乗りで検討し、そのまま購入することもできる。

 高価格なため、スポーツ自転車は盗難被害も多い。損害保険などを手掛けるSBIホールディングスと業務提携を行い、リーズナブルな保険も開発した。これも市場を育成したいという会社としての方針からだ。

 車道の自転車専用レーンにはじまり、自転車をそのままのせられる電車や、ロッカー型の駐輪場など、インフラ面ではスポーツ自転車が普及する環境ができはじめている。ちゃりカンパニーのサービスは女性など今まで利用の少なかった層を開拓していきそうだ。

(浅松 和海)

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