<span class="fontBold">アグリゲートの左今克憲社長は「顧客視点の店づくりを徹底している」と話す</span>(写真=北山 宏一)
アグリゲートの左今克憲社長は「顧客視点の店づくりを徹底している」と話す(写真=北山 宏一)

 仕入れ値を低くするために左今社長が着目したのが「規格外品」と呼ばれる農産物。品質に問題はないが、形や見た目が悪いため廃棄されていた品だ。京都府京丹後市で農業を営むまつみやファームの松宮靖代表は「作物全体の約3割がどうしても規格外になってしまう。廃棄するにも費用がかかっていたがアグリゲートに正規品の約半値で買い取ってもらっている」と話す。旬八にとっては安く仕入れられ、生産者にとっては収入が増すというわけだ。

 さらに仕入れ価格を安定させるため、生産者と栽培契約も結んでいる。一定面積の作物を一定額で全量買い取るといった仕組みだ。

 生産方法や出荷時の加工プロセスなども確認。これまで生産者は形をそろえるために食べられる葉も切り落としたり、発泡スチロールの包材を使っていたが、不要な手間やコストを省き、仕入れ価格をさらに抑える工夫もした。

 「今後は販売システムを構築し、生産者の出荷システムと連携させ、流通を合理化したい」と左今社長は語る。

 一方で、青果店に加え、弁当・総菜などを販売する「旬八キッチン」を都内のビジネス街に4店展開するなど事業も拡大。18年4月期の売上高は8億円を見込んでいる。

小型店を都心に集中出店

 店舗はいずれも人口密集地を狙う「都市型店」だ。青果店1店の商圏は半径800mに設定。狭い地域に4~5店舗を集中出店して1つのグループにして、物流の無駄もなくしている。

 この仕組みを作ったことで今後はチェーン展開を積極的に進める。フランチャイズ店も開業する計画だ。左今社長は「20年までに100店をチェーン展開したい」と意気込む。

 16年、今後の成長を見込んで、全国農業協同組合連合会(全農)はアグリゲートに対し出資を決めた。現在は、地域の農協からの仕入れルートの開拓を共同で進めている。

 シンガポールに本拠を置くベンチャーキャピタルのリープラもアグリゲートに1億円を出資する。諸藤周平CEO(最高経営責任者)は「旬八は路面店だけではなく、大手スーパーなどでの店舗内店舗としても出店が可能だ。将来、青果流通・販売において大きなシェアを取れる可能性がある」と見る。

 高齢化も進み、徒歩圏内の小型店が見直されている。街の「八百屋」に眠る商機は大きい。

(宇賀神 宰司)

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