メッシュ(網目織り)生地を加工し、マスクや航空機エンジンのフィルターなど、機能性の高い製品を開発。数千社の顧客を抱えることで、次の革新的な商品のタネを探すのと同時に景気に左右されにくい体質を目指す。

(日経ビジネス2018年2月5日号より転載)

手作業の技で仕上げる
メッシュ素材は高い技能を持つ従業員が手作業で仕上げる。レアメタルのメッシュ素材(下左)や高機能マスク(下右)まで商品は幅広い(写真=3点:宮田 昌彦)

 「大学受験を控えた息子がいたので、家族全員分の高機能マスクを買いました」。こう語るのは、愛知県豊橋市に住む会社員の山内道子さんだ。購入したのは、同市の縫製メーカー、くればぁが製造する1枚1万円以上のマスク「ピッタリッチ」。

 その特徴は、ガーゼの代わりにメッシュ(網目織り)生地を10枚程度重ねていることにある。それぞれのメッシュは、ウイルス、花粉、放射性物質などを除去する機能を持つ。そのうち1枚は「世界一細かいメッシュ」(同社)。病院などで使われる高機能マスクは「N99」と呼ばれ、0.3マイクロ(マイクロは100万分の1)メートル以上の微粒子を99%以上捕集できるものが一般的だ。

 一方、くればぁのマスクはそれよりも小さい0.1マイクロメートル以上の微粒子を99%以上捕集できるという。インターネットのレビューなどでは「最強のマスク」と呼ばれている。

 このマスクは顔のサイズに合わせてオーダーメードでき、隙間ができないよう密着する。手洗いで約100回の再利用が可能だ。価格は非常に高いものの、大気中の微小粒子状物質「PM2.5」や感染症の対策で注目を浴びており、安価なタイプを含めたシリーズで約40万枚を売るヒットになっている。