INTERVIEW
腰高 博社長に聞く
今後は都心部に出店攻勢

 「室料20円とか、食べ物持ち込み自由なんてサービス始めちゃったらもうからないのではないですか?」とよく言われます。でももうかるんですよ。固定客も増えますし、カラオケに来て食事を頼む人の割合は4割程度。半分しか稼げるチャンスがないなら、全ての人に喜んでもらうサービスにしてしまった方がよいのです。

 持ち込み自由にすると、競合店にお客が逃げないという意外なメリットもあります。両手いっぱいに食べ物や飲み物の入った袋を持って店にやって来たお客様が、お店が混雑していて「待ち時間30分です」と言われても、待ってくれるんです。もう食べ物を買ってしまった後なので他の店に行けない(笑)。

(写真=的野 弘路)

 我々は居抜きに入ることで出店コストを抑制し、利益を上げてきました。しかし、今後はそうはいかなくなってきています。現在、郊外はほぼ店を出してしまったので、都心部に出店攻勢をかけています。都心部は居抜き物件がほとんどなく、一から作る店が大半なので費用がかさんでいるのは事実です。しかし、これまでの「貯金」もありますので、今は投資時期と割り切っています。

 新しいサービスを創出して、都心部でも需要を引っ張ってこられる体力をつける必要もあるでしょう。ワンカラはその典型例です。投資費用が通常のカラオケよりかさむため、それに見合う利益が安定して稼げるようになるまで出店を抑制してきました。ワンカラ英会話などを活用して稼働率を高める工夫を続けたところ、採算の取れる水準まで持っていけそうです。現在の10店舗からさらなる出店も視野に入れています。

 独自開発したカラオケシステム「すきっと」も、都心の出店において他店に勝つツールになると思っています。すきっとには、自作の曲をインターネット経由で登録できる機能があります。登録した自作の曲を友人と歌ったり、同窓会で皆が集まり、校歌をカラオケで歌ったりすることもできる。他店と違いを出せます。

 シンガポールや韓国に「まねきねこ」を出店するなど、海外展開も進めています。日本式の清潔で明るい接客が売りのカラオケは、海外では斬新でクールに映る。成長の可能性は十分高いと思います。シンガポールを拠点にして、東南アジアに日本のカラオケ文化を広めたいですね。(談)

(日経ビジネス2016年2月8日号より転載)