INTERVIEW
筒井義信・日本生命保険社長に聞く
全ては営業職員のために
(写真=竹井 俊晴)
(写真=竹井 俊晴)

 インターネットが普及した今でも、対面によるコンサルティングを求めるお客様は増えている。安定した営業職員チャネルの持つ意味合いは、変動の大きい時代環境においてますます大きくなる。対面型営業が世界の趨勢だし、そうした需要をうまく取り込めれば、これまで以上にこのチャネルは伸びる。

 ただ、これからも主力であり続けるためには相応のレベルアップがいる。数と質の両面でさらに向上させたい。労働人口が減る中で、5万人を超す体制にしようと努力している。営業職員の99%は女性だ。特に彼女たちの初期教育を充実させ、定着率を高めたい。これには強烈な課題意識を持っている。

 ここ2年ほどの間に、三井生命保険や豪MLC、乗り合い代理店などを買収した。営業職員以外の様々なチャネルが成長し、一方で海外市場の成長も著しい。そうした市場で十分なポジションを確立できていなかった。ただ、仮に人口が超長期で減っていったとしても、日本生命の収益の主軸は国内であり、営業職員が主力チャネルということは変わらない。

 例えば三井生命。日本生命の営業職員は基本的に円建て保険を売っているが、特に貯蓄性の高い年金保険などがマイナス金利の影響で厳しい環境におかれている。そういうときに、三井生命の外貨建て保険を扱うことで補える。商品の相互供給は検討中だが、来年ぐらいには実現できると思う。

 乗り合い代理店について言えば、営業職員は日本生命の商品しか扱っていないので、他社の売れ筋商品の研究などマーケティングの部分に弱みがあった。乗り合い代理店は提案力も相当高いので、ライフサロンなどの子会社化を通じてこの知見やノウハウを吸収すれば、これを営業職員に応用していける。

 ナンバーワンにこだわると発信し続けているのも、それが社内のモチベーションに直結するからだ。トップライン(売上高)が他社に抜かれ続ければ、いずれボトムライン(利益)にも響き、取り返しのつかないことになる。

 保険金支払いなどでお客様と長期に接する保険会社は、健全性やその会社のイメージが、営業戦略上、非常に重要な要素となる。ナンバーワンにはこれからもこだわり続けたい。(談)

(日経ビジネス2016年11月28日号より転載)