ワークマンは、商品企画から製造、販売までの工程を一貫して自社で手掛ける「SPA(製造小売り)」にも力を入れている。SPAの手法を取り入れて製造した製品はPB(プライベートブランド=自主企画)「ワークマンベスト」の名称で販売している。売上高に占めるPB比率は約2割まで高まっている。

 低価格を極めているため、FC加盟店の粗利益率は約35%程度にとどまる。これを本部と加盟店の間で分け合うので、本部の取り分は約20%だ。そうした中で、14%と高いROE(自己資本利益率)を実現しているのは、ベイシアグループのDNAをしっかりと引き継いで、低コストの運営を徹底しているからだ。これがワークマンの成長の原動力と言っても過言ではない。

徹底した省力化で高い利益率を達成
●ワークマンの売上高と営業利益
徹底した省力化で高い利益率を達成<br /><span>●ワークマンの売上高と営業利益</span>

 一般にFCにすると、少ない社員数で企業を経営できるが、同社の場合、全社員数が約230人という異例の少なさだ。それでも安定したチェーンの運営ができるように、FCの契約やIT (情報技術)の活用などに、様々な工夫を凝らしている。

 足立尾久橋通り店のオーナー、武藤等さんは3年前に長年勤めてきたドラッグストアを退職し、一念発起してワークマンのFCオーナーとなった。「手厚い創業支援で事業に乗り出す勇気が出た」と話す。

 FCオーナーにとって一番の懸念材料が「初期費用は支払ったが、開業後きちんと売り上げが確保できるのか」といったものだ。このような不安を払拭すべく、ワークマンは本格的なFC契約を結ぶ前に「業務委託契約」という方式を選択できるようになっている。

 これはまず初期資金200万円を本部に支払う。月間売上高が350万円を超えるまでは店舗運営費として毎月50万円を受け取れる。350万円を超えると超過した売り上げ分の3%が歩合給として、50万円に加算されて支給される。

 業務委託契約でなく、通常のFC契約でも、家賃や物流関連のコストなどは本部が負担する。FCオーナーは水道光熱費やパート・アルバイトの人件費などを支払えばいいという。その代わり、粗利の約6割を本部が手にする仕組みとなっている。

 2015年3月期のFC既存店の売上高の平均は約1億円。同社によると加盟店の収入は売り上げ増に伴う報奨金なども含めると平均1200万円になるという。決して悪くない水準と言えよう。

「入りやすい店内」目指す

 作業服や作業用品という、ニッチな分野で勝負してきたワークマンだが、ここにきて会社のイメージを変えようとしている。

 その象徴が、CM(テレビコマーシャル)の変化だ。「行こうみんなでワークマン」と、タレントの吉幾三氏が作業員たちと一緒に歌うCMがおなじみだったが、25年間続けてきたこのCMをやめた。「ワークマンイコール作業の人のお店で自分は関係ない、というイメージを払拭したかった」と、土屋哲雄・常務取締役は話す。

 ワークマンが目指しているのは客層の拡大だ。今後3年間で全ての店舗を改装していく計画だ。従来は高い棚を使って多くの商品を陳列していたが、店内が暗くなりがちだった。そこで改装店舗では、入り口付近の棚を以前より60cm低くして、店内がよく見渡せるようにし、照明もLED(発光ダイオード)にするなど、明るい印象にした。