試作品の受託製造を行うJMCは、市販の産業用3Dプリンターを独自に改造し、精緻な試作品を短納期で顧客に届ける体制を作り上げた。10年前から鋳造事業にも乗り出し、自動車向け部品などの受注が増えている。

(記事中の情報は、「日経ビジネス」2016年12月12日号 に掲載した時点のものです)

最新プリンターが並ぶ
顧客の要望に合わせて様々な種類の3Dプリンターを使い分ける。頭蓋骨の造形(左下)など医療向けは得意分野の一つ(写真=中:的野 弘路)

 毎年、多くの人が亡くなる脳卒中は手術が難しい疾患だ。ドリルなどで頭蓋骨の一部を切除するため、大きく空いた穴を塞ぐのは容易ではない。患者の頭蓋骨にできた穴の形状に合わせ、術中に人工物などを精密に削る必要があり、患者だけでなく医師にも大きな負担になっていた。

 この作業を大幅に短縮したのがJMCだ。医療機関から送られてくるCT(コンピューター断層撮影装置)の画像から、3Dプリンターを使って患者の精緻な頭部モデルを立体的に“印刷”する。これを使えば頭蓋骨に空いた穴にピタリとはまる人工物の「ふた」を、あらかじめ準備できる。手術に要する時間を従来の3分の1程度に短くできた。

 「一度取引のあった医療機関からは継続的に発注がある。毎月20~25症例で我々のモデルが使われている」と渡邊大知社長は胸を張る。