自動化工場が強さの源泉

工場では自動化率を高め、製造コストを削減し菌の繁殖も防ぐ
●ホールケーキの製造工程
<span class="fontSizeL">工場では自動化率を高め、製造コストを削減し菌の繁殖も防ぐ</span><br />●ホールケーキの製造工程
原材料は主に契約農場から仕入れ、山梨県の自社工場で加工する
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工場では自動化率を高め、製造コストを削減し菌の繁殖も防ぐ
●ホールケーキの製造工程
<span class="fontSizeL">工場では自動化率を高め、製造コストを削減し菌の繁殖も防ぐ</span><br />●ホールケーキの製造工程
原材料は主に契約農場から仕入れ、山梨県の自社工場で加工する
原材料は主に契約農場から仕入れ、山梨県の自社工場で加工する
スポンジに生クリームを塗る
スポンジに生クリームを塗る
イチゴソースを入れ、塗り広げる
イチゴソースを入れ、塗り広げる
ロボットがスポンジをかぶせる
ロボットがスポンジをかぶせる
生クリームで飾り付け、完成
生クリームで飾り付け、完成

ホールケーキはロボットや専用装置がクリームを塗り、スポンジをかぶせる。出来上がったケーキはすぐに瞬間冷凍され、日本や海外の店舗に届けられる(写真=北山 宏一)

 おいしさと品ぞろえ、手ごろな価格というシャトレーゼの強さを支えているのが、山梨県にある工場だ。食品業界では輸送の時間やコストを削減するために、国内に工場を分散して持つ企業が多い。だが、シャトレーゼは山梨県で主要製品を集中生産し、そこから全国の店舗に届けてきた。

 そこには、素材へのこだわりがある。山梨県は酪農が盛んなうえに、モモやリンゴ、ブドウなどの果物の産地でもある。「良い技術があっても、素材が良くないと、おいしい商品は作れない」という齊藤社長の信念から、原材料の供給地に近い場所に工場を構えてきた。

 様々な果物などが手に入りやすい山梨に工場を構えることで、商品の多様化がしやすいというメリットもある。1カ所で集中生産することで生産管理が容易になり、品質も安定する。

 そして、おいしい商品を多数品ぞろえし、しかも安く作るために、シャトレーゼがこだわってきたのが、生産の自動化だ。

 アジアで人気のホールケーキの生産設備を見ると、人の気配はほとんどない。1列に並んだスポンジケーキには1つずつ、透明なカバーがかぶせられている。ロボットが透明カバーの内側に沿って生クリームの壁を作り、イチゴソースを塗り広げる。そしてイチゴソースの上から再び生クリームを流し込み、その上にもう1枚、スポンジケーキを載せて、生クリームでデコレーションをする。そしてすぐに、瞬間冷凍する。

 シャトレーゼは山梨県で製造した商品を全国に配送するため、遠い店舗ほど輸送コストがかさむ。そのため、製造コストをいかに切り詰めるかが、収益性を高めるカギになる。一定の販売量が確保できる人気商品は徹底的に自動化を進め、それ以外の商品でも、工場内の材料などの搬送や商品のラベル貼りなど、可能な限り自動化を進めてきた。既に1960年代から本格的な自動化に取り組んできた。

 冷凍ケーキやアイスクリームを製造する白州工場の神戸隆幸工場長は、「アイスクリームや冷凍ケーキは収益性が高く非常に重要。だから自動化を通じて、今後も製造コストをさらに抑えていく」と話す。今年も箱詰め工程などに最新のロボットを導入するために、約20億円を投じた。

 アジアの各店舗で日本とほぼ同等の価格で商品を提供できているのも、コスト削減のおかげだ。進出した各国には、冷凍した商品を船で輸送している。その分、国内の店舗よりも収益性は悪くなるが、単位面積当たりの販売数量が国内店舗よりも多いことで、十分に事業として成り立つというわけだ。

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