ハイテク&ローテクで融雪

 従来のロードヒーティングでは、センサーで降雪を感知し、自動的にボイラーを作動・停止させる仕組みのものが一般的だった。無人で動くメリットがある半面、みぞれや冷たい雨など、融雪の必要がない場合にもボイラーが作動し、燃料を無駄に使ってしまうという欠点があった。

 それに対し、エコモットのサービス「ゆりもっと」では、現場に設置したカメラを通じ、有人で積雪状況を24時間見守る。同社の監視室にいるスタッフが通信回線を利用して遠隔でボイラーを操作する。

<b>入澤社長はIT関連企業から転身。札幌市出身で、雪害や害獣のことを熟知する</b>
入澤社長はIT関連企業から転身。札幌市出身で、雪害や害獣のことを熟知する

 このサービスの強みは、積雪の程度を視認できること。監視室のモニターには気温や天気図などが同時に映し出され、天候の予測も可能にしている。これらの情報を複合的に活用しながら、最適なボイラー制御を行う。センサーを使ったハイテク監視システムの落とし穴を、ヒトの目視と手動制御というローテクで補っている。

 ゆりもっとの導入費用は約30万円(工事費などは別途)からで、維持管理費が1シーズン3万円ほどから。2007年にエコモットがこのサービスを提供し始めて以降、導入した施設のコスト削減効果は目に見えて表れた。

 例えば札幌市西区の賃貸マンションの駐車場では、導入後の7シーズンで平均約53%、計約1029万円ものコスト削減効果があった。入澤社長は「場合によっては1シーズンで投資分を回収できる」と自信を見せる。

 主な顧客は、比較的大規模な駐車場を抱えるマンションの管理会社や、商業施設だ。初年度の契約数は30件にすぎなかったが、起業から8年が経過した現在、1200件以上にまで増えている。2015年3月期の売上高は6億8500万円で、3年前の約2倍。契約数の増加に併せて業績も伸ばしている。

 同社では潜在的な顧客は、全国に2万件あると見込んでいる。「地方都市では高齢化と人手不足によって除雪を人力に頼れなくなっている。融雪システムの需要は今後、ますます高まっていくだろう」(入澤社長)という。

燃料費が半分近くに下がった
●札幌市西区のマンション駐車場の灯油削減例
燃料費が半分近くに下がった<br/>●札幌市西区のマンション駐車場の灯油削減例
注:2007年にシステムを導入した札幌市西区の駐車場の事例。融雪面積1116立法メートル、融雪ボイラー6台を使用

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