1個80円でも売れるたこ焼き

営業利益は前期比187%増
●ホットランドの直近5期の業績
営業利益は前期比187%増 <br/>●ホットランドの直近5期の業績
注:決算期12月。2013年度より連結決算。2010年、2011年度営業利益は非公開
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 一般的に、単品ビジネスはリスクが多い。はやり廃りの影響が業績に直結するからだ。好調なときでも、物まねや二番煎じが大量に出回るだけに一層の差別化が求められる。

 それでもあえて、ホットランドが単品にこだわるのは、他を寄せ付けない自信があるからだ。現在、銀だこのたこ焼きは1皿8個入りで税込み550円。チーズ明太子やネギなどのトッピングを付けると650円になる。原材料の高騰などで何度か値上げした結果、たこ焼き1個当たりおよそ70~80円と、かなり割高な価格設定となっている。

 それでも売れるのは、品質に定評があるからだ。ホットランドでは原材料の調達・加工からたこ焼き機の製造、そしてたこ焼きを焼く職人の育成まで、一貫して自前主義を貫いている。同社ではこれを「銀だこスタイル」と呼んでおり、高品質のたこ焼きを提供する仕組みとして確立している。

 例えば、たこ焼きの食感。築地銀だこのたこ焼きは、外側はパリッと、内側がトロッとしている。この食感を実現するために、25分かけてじっくり火を入れ、最後には鉄板に油を差す。北京ダックの皮をパリッと仕上げるやり方にヒントを得た。

 たこ焼きの焼き型は、南部鉄でできており、円形の型の内側には細かい凹凸が付いている。この凹凸があるおかげで、油は焼き型の底にたまりにくくなり、たこ焼きの表面に均一に油が行き渡る。油でこんがり揚げたような、パリッとした食感をどの店舗でも提供できるのは、自社で開発したオリジナルのたこ焼き機があるからだ。

 人材育成にも抜かりはない。千枚通しと呼ばれる返し棒を使ってたこ焼きをひっくり返すタイミングも、すべて本社(東京都中央区)の7階にある「銀心研修センター」で叩き込まれる。店舗ごとにスタッフを採用しても、焼き方だけは本社で教える。焼く人によって味にブレが出ないようにするためだ。

 川上から川下まで自分たちのやり方を貫くことで、誰もまねできないたこ焼きを作る──。これこそが、銀だこスタイルの本質と言える。

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