マウスからルーターまで1万7000点もの商品群を持つパソコン周辺機器大手。中国勢の侵攻に負けず増収増益を続けるどころか、中国市場へ攻め入ろうとする。その成長を支える独特な開発体制、そして根底に流れる思想が明らかに。

それぞれが開発した製品を手にするエレコム開発部門の社員たち。中央に立つのは葉田順治社長(写真=山田 哲也)

 「単価は低いし、点数が膨らんで面倒くさいし、すぐにコピーされる。難しくてやりにくい業界なんです」

 来年、創業30年を迎えるエレコム創業者の葉田順治社長は、自らが身を置くPC(パソコン)・スマートフォン関連のアクセサリー、周辺機器の業界をこう言い放つ。しかし「大好き」だとも言う。「だからこそ、新規参入の妨げにもなるし、大きな差別化になる」。

 カードリーダー、タブレット端末アクセサリー、ヘッドセット、スマートフォンケース…。18の商品カテゴリーで市場シェアトップを堅持するエレコム(2014年、調査会社GfKジャパン調べ)。マウス、USB関連では15年連続首位と不動の地位にいる。

6期連続増収、3期連続増益へ
●エレコムの業績推移(連結)

 自前の工場を持たず、中国や台湾のメーカーに製造委託するファブレス。いずれもコモディティー化が進む商品で、中国勢が作る似たような商品が市場にあふれ返る。おまけに、強烈な円安が襲い、仕入れ価格は高騰中だ。

 にもかかわらず、今期、6期連続増収、3期連続増益を見込む。なぜエレコムは強いのか。その秘密は、膨大な商品群をひたすらに開発し続ける、たった「80人」の開発陣にあった。