各社は採算改善のため店舗閉鎖を進める。ユニーは2017年2月期~2019年2月期の3年間に、国内店舗の約2割に当たる47店舗を閉じる方針。イトーヨーカ堂も2017年2月期に20店、2021年2月期までに、この20店を含む計40店を閉店する予定だ。こちらも全店舗の約2割に相当する。SMBC日興証券の並木祥行アナリストは「採算の改善には閉店と併せて、従業員の早期退職の実施も必要」と指摘するが、各社はまだそこまでは踏み込んでいない。残った店舗に経営資源を集中して改装。あるいは新規出店を厳選して競争力を高め、収益を増やす戦略を取る。

 ユニーはGMSの主力ブランド「アピタ」と、アピタより小型の「ピアゴ」について、それぞれ売り上げ上位30店ずつを選び、競争力を高める方針を掲げる。これまでにアピタ飯田店(長野県)、磐田店(静岡県)、岩倉店(愛知県)などで売り場の改革に取り組んできた。

 1995年開業の飯田店は昨年10月に改装。増床で売り場面積を従来から3割増やした。日用品売り場では明るい色のクッションなど、目を引くデザインの商品を前面に並べた。まずは売り場に足を運んでもらい、周辺の商品も含めて購入を促す。週末に30~40代の家族が子供を連れて来店する例が増え、今年1~6月の住居関連売り場の売上高は、前年同期から12%増えた。

 一方、来店客の中心だったシニア層が「『衣料品が買いにくくなった』として足が遠のいている」(新山正法店長)など、新たな課題も出てきた。子供服の提案に力を注いだ半面、シニア用の衣料品のアピール力が弱まったからだ。衣料品の売り上げは同3%減った。

 ユニーはアピタ飯田店などの試行錯誤をレイクウォーク岡谷に生かしている。先に紹介した新規テナントの誘致や、生活提案型の売り場作りだ。

 同店では、店内のあちこちに休憩スペースを設けるなど、シニアがくつろいで買い物できる環境作りも進める。ユニーの梅本稔取締役は「コミュニティーの場として使えるのが、コンビニにはないGMSの強み」と強調する。

 GMS各社の頼みの綱だった食品。最近は地域密着の品ぞろえで経営コストも低い、各地の食品スーパーに押されて、いよいよ厳しくなってきた。各社は食品の強さも取り戻そうと改革を急ぐ。

提携スーパーと連携に活路

 「今朝収穫した十勝の野菜です。売り場の商品がなくなり次第、終了しますので買うならお早目に」。イトーヨーカドー帯広店(北海道帯広市)の青果コーナーで、地元農家がスタッフとともに声を張り上げ、自ら生産した野菜を売り込んでいた。

 GMSは、各店舗とも共通のチェーンオペレーションを進めてきたことで、地域の顧客に応じた品ぞろえがおろそかになり、魅力を失った──。イトーヨーカ堂にはこんな反省がある。

 同社は2013年に帯広の有力食品スーパー、ダイイチに資本参加し、業務提携した。帯広店では、ダイイチが得意な地場商品をヨーカドーにも導入するなど、商品を中心に協力関係を深めている。全国チェーンのGMSの弱点を、グループ化した地方スーパーの力を借りて補うという、新たなモデルを帯広から確立しようとしている。

 東京都内など他のイトーヨーカドーの店舗は、親会社セブン&アイ・ホールディングスのグループPB(プライベートブランド)商品「セブンプレミアム」を売り場の中心に置くことが多い。だが帯広店では、地元産の食材を売り場の目立つ位置に集中して配置。セブンプレミアムの商品は奥の棚に置かれ、その存在感は極めて低い。

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