一般にGMSの売り場は画一的で無機質になりがちなため、新店では直営部分も楽しさの演出に力を入れる。婦人服や雑貨売り場の隣に、化粧品コーナーの「A to Z」を展開。ファッションと美容を組み合わせて提案する。台所用品売り場では、高級包丁ブランド「関孫六」の実演販売を集客の目玉にする。

 ユニーの佐古社長は「お客様の日常生活の質向上に役立つ、ライフスタイル提案型の売り場を作った」と語る。

 GMSは従来、「食品で客を呼び、衣料や家電・家庭用品を売って利益を上げる」事業モデルだった。しかし粗利益率が3割を超えて本来はもうけやすい衣料や家庭用品の売上高は、1990年代半ばをピークに年々減少してきた。経済産業省の調査によると、大型スーパーの衣料、家電・家庭用品などの売上高は2015年度に約3兆7000億円と、20年で4割も減った。ファストリのユニクロや、家具・インテリアチェーンの「ニトリ」などSPA(製造小売り)がシェアを高め続けている。

 同時期に食品専業のスーパーが勢力を拡大。GMS各社もこぞって食品を強化してきた。だが食品の利益率は2割台と、衣料や日用品より低い。食品の構成比が上がる分、採算は悪化する。各社は低迷する衣料品などの売り場を集約・縮小。競争力が高い店舗を積極的に導入して、テナント収入を増やす戦略も進める。新規出店の多くがGMSを核にしたショッピングセンターの形態になっているのも安定した賃料を得る狙いがある。

衣料品の売上高減少が目立つ。大手の利益は過去2年間で激減
●大型スーパーの売上高
衣料品の売上高減少が目立つ。大手の利益は過去2年間で激減<br/>●大型スーパーの売上高
出所:経済産業省「商業動態統計」。売場面積1500m2以上
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 振り返れば1970年代。豊富な種類の商品を大量に仕入れて販売する米国のビジネスモデルを取り入れて本格的に広がった日本のGMS。モノ不足の消費者の欲求を満たす形で成長を続けたが、バブル崩壊後の景気低迷と、消費者のニーズの多様化に応えきれず、既存店の売り上げは次第に落ち込んでいった。各社は既存店の不振をカバーすべく、出店を加速。2000年に大規模小売店舗法が廃止されたこともあり、市街地から郊外へと拠点を移し、広大な敷地に大型の新店を相次ぎ開いた。

 だが拡大戦略で新規出店の余地は次第になくなり、店舗数を増やして売上高を追う戦略は程なくして行き詰まりを見せた。2008年のリーマンショックによる景気の落ち込みで売り上げは低迷。巨大な店舗の運営には相応の人手が必要で、売上高の4分の1超に相当する販売管理費を抑えるのは難しい。採算は急激に悪化していった。

●大手GMS3社の営業損益
●大手GMS3社の営業損益
注:イオンはGMS事業。セグメント変更の影響を含む
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 2016年2月期はイトーヨーカ堂が139億円の営業赤字と上場以来初の赤字に転落。イオンとユニーのGMS事業を加えた営業利益の合計も前期は60億円と、直近で最も多かった2012年2月期の14分の1にまで落ち込んだ。

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