GMS(総合スーパー)がいよいよ存亡の危機に立たされている。衣料や日用品の低迷に拍車がかかり、頼みの食品さえ競争力が低下している。日本にGMSは必要なのか。そんな議論を払拭すべく、再生の糸口をつかめるか。

長野県のほぼ中央に位置する岡谷市。市役所などが並ぶ中心地で7月23日、大型ショッピングセンター「レイクウォーク岡谷」がオープンした。来店客は終日途切れず、それぞれ目当ての売り場で買い物を楽しんだ。

施設はGMS(総合スーパー)「アピタ岡谷店」と、専門店で構成する。運営するのは愛知県が地盤のユニーだ。9月1日に始動したユニー・ファミリーマートホールディングス(HD)の子会社でGMS事業を担う。元の親会社、ユニーグループHDがファミリーマートに事実上吸収される形で経営統合に追い込まれた要因の一つは、GMSの苦境だ。統合新会社の主要事業はコンビニエンスストアだ。それだけに、GMSは消費者や投資家に対して存在意義を示せなければ、将来はグループから切り離す対象にもなりかねない。
1日午後、ユニーの佐古則男社長(ユニー・ファミマHD副社長)は記者団に対し「(統合によって)ユニーのスーパー事業がなくなるわけではなく、新しい旅立ちをするのです。問題はあるが、責任をもって、ご来店いただける形に変える」と、再生への決意を語った。岡谷市の新店は試金石となる。
ユニーはもともと、レイクウォーク岡谷の場所で、GMSの旧アピタ岡谷店を運営していた。1985年オープンの同店は、老朽化のため2014年に閉店。施設を全面的に建て替え、諏訪湖に近い立地にちなみ「レイクウォーク」という、ユニーとしては初めての名称を付けてオープンした。営業面積を従来の2倍に拡大。テナントの専門店の数は63と以前から6割増やした。
無機質な売り場から脱却へ
単に営業面積やテナント数を増やしただけではない。集客の目玉として、ユニーとして初のテナントを積極的に誘致した。青山商事の「洋服の青山」や、地元・長野県のシャツメーカーの「軽井沢シャツ」、生活雑貨店「アベニュー」だ。9月2日には、ファーストリテイリングの2大ブランド「ユニクロ」と「GU(ジーユー)」が同時にオープンした。両ブランドがユニーの新規店舗に同時に出るのは初めてだ。
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