空前の「教室」ブーム

教育ベンチャーのLITALICOはカリキュラムに柔軟性を持たせ個性を伸ばせる点をアピール(写真=北山 宏一)
サイバーエージェント子会社のCA Tech Kidsでは、隔週コースを廃止し、毎週のコースで「質」を追求(写真=栗原 克己)

 キッザニア東京にとどまらない。夏休みに入り、全国各地で、プログラミング体験教室があちこちで開かれている。催す側も顔ぶれが多彩。サイバーエージェントなどのIT(情報技術)企業や、LITALICO、ライフイズテックといった教育関連の新興企業に加え、電機やITの大手企業や学習塾なども続々とプログラミング教育事業に参入している。

 通信教育を手掛けるZ会もその一社だ。レゴの教育部門である「レゴ エデュケーション」と提携し、今年7月から通信教育で小学生向けにレゴブロックを用いたプログラミング講座の提供を開始した。

ソニー子会社のソニー・グローバルエデュケーションはブロックを使ったプログラミング学習キットを投入(写真は礒津政明社長)(写真=北山 宏一)

 Z会は昨年、プログラミング教育を手掛ける米メイクスクール(サンフランシスコ市)と提携し中高生向けに短期間学べる教室を開いた。今年は小学生向けも加え、「プログラミング教育の裾野を広げていきたい」とZ会ICT事業部の草郷雅幸事業部長は意気込む。

 家庭での利用を想定したプログラミング学習キットも続々と登場している。

 今年2月に独自の学習キット「KOOV(クーブ)」を発売したのが、ソニーの教育子会社ソニー・グローバルエデュケーションだ。半透明のカラフルなブロックと電子部品を組み立ててロボットを作り、アプリでプログラムを組んで動かせる。価格は3万6880円以上と高額だが、「発売から半年、日本と中国で想定を上回る数千台が売れた」(礒津政明社長)という。ソフトバンクグループ子会社やタカラトミーも今夏、プログラミング可能なドローンや玩具を投入予定だ。

 各社がプログラミング教育に熱視線を注ぐのは、文部科学省が2020年度から小学校でのプログラミング授業を必修化する方針を打ち出したからだ。今年3月にはその概略を盛り込んだ新学習指導要領も決まった。

 算数や理科など既存科目の授業で導入される予定で、プログラミング教育を通じて論理的な思考力の習得を想定している。

 イー・ラーニング研究所の調査によれば、「17年にさせたい習い事」のトップはプログラミング。サイバーエージェント子会社で13年からプログラミング教育を手掛けるCA Tech Kidsの上野朝大社長は「これまでは世の中の情報に敏感な一部の親に限られていたが、必修化が認知され、まずは体験させたいという親が増えている」と証言する。

 現時点でプログラミング教育を導入しているのは東京都小金井市にある前原小学校などごくわずか。それでも「プログラミングを科目に掲げている外部の教室は「日本中に1500校ある」(ソフトバンクコマース&サービスの倉光哲男取締役)との指摘もある。