傘下に抱えた個人運送業者は今後、「クイックエース」として組織化し、宅配時の接客などの教育も施すことで、ECの拡大に備える。和佐見社長は今年5月の本誌の取材で、「雇用者の責任として、働く人が幸せになれるよう、生活をしっかり保障していきたい」と話していた。EC拡大と人手不足を好機と捉え、その思いを貫きたい考えだ。

丸和運輸機関
設立 1973年 社長 和佐見 勝  売上高 672億円(2017年3月期) 営業利益 44億円(同)

特徴
  • マツモトキヨシなど小売業向け物流で成長
  • 食品スーパー向け低温物流事業に注力
  • AZ-COM丸和・支援ネットワークで中小支援
  • EC事業者向けスピード配送網を構築

ファイズ

アマゾン向けで急成長 庫内作業から宅配まで

 設立後わずか3年半で東証マザーズに上場した物流会社がある。アマゾンとの取引をてこに急成長するファイズだ。17年3月期の売上高は前の期比49%増の52億1500万円、営業利益は前の期比3倍の3億4500万円だった。アマゾン向けは売上高全体の6割以上を占める。社員の増加で本社の移転が続いており、6月に本社を訪れると移転の最中で、フロアの片隅にポツンとデスクがあり数人が席を構えていた。

 源流はヴィ企画(京都市)という人材派遣会社だ。佐川急便などの仕事を受託していた物流部門が独立。物流部門長だった榎屋幸生氏(41歳)とヴィ企画の社長が共同でファイズを13年に設立し、榎屋氏が社長に就いた。

 強みは、アマゾンなどの物流センターの庫内作業だ。ファイズが手掛けるのは特に、荷物の出庫作業で、棚出しや梱包、仕分けなどが含まれる。こうした作業は労働集約的であり、効率化のノウハウが成功のカギを握る。

 榎屋社長は「庫内作業を外注ばかりに頼っていては効率化のノウハウを蓄積できない。だから、我々は社員が現場を支える」と話す。例えば仕分け作業では作業者ごとの処理スピードにバラつきがあり、一部の作業の遅れは全体に響く。そのためファイズは個人ごとの処理件数をデータ化してスキルを分析。人材を適正に配置して全体の処理スピードを速めている。こうした業務効率化はアマゾンから高く評価され、15年、16年と2年連続で3PL Awardの最優秀協力会社賞を受賞した。