「ニトリ=安い家具」を払拭

家具以外の商品の認知度アップが、ニトリブランドへの関心を高めた。女性が手に持っているのが、「ニトスキ」の愛称で親しまれている「スキレット鍋」(写真=中山 博敬)
家具以外の商品の認知度アップが、ニトリブランドへの関心を高めた。女性が手に持っているのが、「ニトスキ」の愛称で親しまれている「スキレット鍋」(写真=中山 博敬)

 「アウトスタンディング」の因子のうち、「他にはない魅力がある」という項目で評価が大幅に伸びたのがニトリだ。総合力ランキングでも順位が90位から22位に上昇した。その要因が、都市部への出店と家具以外でのヒット商品の存在だ。

 ニトリホールディングスは2015年2月に東京・池袋に生活雑貨を中心に扱う店「ニトリデコホーム」を出店。同社の店舗としては、JR山手線の内側への初めての進出で、続く4月には東京・銀座に「ニトリ」を出店した。

 こうした駅に近い立地に、2015年だけで9店を出店。これまで社名や店舗名は知っていても、実際に店を利用したことがなかった層を呼び込むことに成功した。その結果、「ニトリ=安い家具というイメージがあったが、実は家具の売り上げは全体の42%で、残りの58%は布団や食器といった家具以外の商品である」(玉上宗人執行役員)ことが認知され、家具以外の商品に興味がある消費者の関心を高めた。

 同社が扱う商品の点数は1万点。そのうち約9割がPB(プライベートブランド)。中間マージンを排除し、手頃な価格で提供できることが強みで、象徴的なのが2015年2月に発売したスキレットと呼ばれる鋳鉄製フライパンだ。

 スキレットは保温性が高く冷めにくいため、調理後にそのまま食卓に出せる。自宅でおしゃれなビストロやカフェの気分を味わえると、最近注目されている調理器具だ。

 その中で、同社の「スキレット鍋」は直径15cmのタイプで462円(税別)の安値を実現。「ワンコイン(500円)で買える」とSNS上でも話題になった。

ブランドの専門部署を設置

印象深いフレーズを使ったプリンターのテレビCMや5060万画素のデジタル一眼レフ「EOS 5Ds」などでブランドが認知された
印象深いフレーズを使ったプリンターのテレビCMや5060万画素のデジタル一眼レフ「EOS 5Ds」などでブランドが認知された

 キヤノンは総合力ランキングを70位から26位に押し上げた。4つの因子別では、「イノベーティブ」が112位から33位に、「アウトスタンディング」が142位から30位に上昇した。

 革新性や卓越性を示す項目であり、デジタルカメラやプリンターなど、ある程度成熟した製品に強みを持つ同社だけにやや意外な感もある。だが、キヤノンの野口一彦・執行役員渉外本部長は「この1年、突き抜けた商品を市場に送り出してきた成果」と胸を張る。

 その一つが、2015年6月に発売したデジタル一眼レフカメラ「EOS 5Ds」だ。一般的なデジタル一眼レフが2000万画素程度なのに対し、5060万画素での撮影を実現した。「フランスの街並みを撮影した広告を見たお客様から、『この写真がほしい』という要望が来た。キヤノンが性能の高いカメラを出している姿勢が伝わった」(野口執行役員)。

 カメラと並ぶ主力製品であるプリンターでもブランド力を高めた。スマートフォンをプリンターにかざすだけで画像を印刷できる「PIXUS MG7730」だ。テレビCMの「サル!撮る!年賀状!ピッ!」という耳に残るフレーズで、幅広い層に商品機能を印象付けた。

 キヤノンでは、2013年に立ち上げたコーポレートブランド推進部が、自社商品や企業ブランド全般を管理する。2015年11月に東京国際フォーラムで開いた「Canon EXPO 2015 Tokyo」。同部署が方針を打ち出し、販売代理店など来場したパートナー企業の関係者に積極的に技術情報を開示した。

 「8Kカメラで撮影した動画を前方と左右に投影し、まるで電車の車内に座っているような感覚にさせるなど、ユニークな展示を多くした。多くのメディアで報道され、一般消費者にも新分野に取り組んでいる印象を持ってもらえたのではないか」とコーポレートブランド推進部の花田一成部長は語る。