一般職の場合、能力があっても主任スタッフなどの上位職に登用される機会は限られていた。だが地域型の総合職なら、能力次第で支社長などに昇進することもできる。今回の職種の再編・統合の先に、さらなる女性管理職比率の向上や女性役員数の増加を見込む。

 とはいえ統合前は、女性社員から「今のスキルでやっていけるのか」といった不安の声も聞かれた。そこで同社は16年、「バリューアップ取組支援」と題してeラーニング、通信教育、推薦図書の購読のうち1つを選択して学ぶ機会を提供。所定のコースを修了した人には、会社が費用の一部を補助する。

 「地域型の総合職の女性のうち、約半数が利用済み。17年も継続して取り組む」(人事部ダイバーシティ推進室の長谷川誓子室長)

 一般職をなくす動きが主流の中、一般職の存在にこだわる生保もある。住友生命保険だ。同社は04年度から女性活躍推進に取り組んできた。一般職向けのキャリアアップ研修も複数実施するが、「業務内容が同じなのに、名称だけ変えても意味がない」(人事部ダイバーシティ推進担当の小野寺成子氏)。

 同社の場合、一般職は係長クラスが役職の“天井”だ。意欲と能力があれば一般職から業務職(転居を伴う転勤のない総合職)への転換を積極的に後押しするが、「一般職は事務のプロ。働く側のニーズもある。当面は維持する予定だ」(小野寺氏)。

働き方改革で、女同士&男女間の“不公平感”を払拭
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 一般職は「是」か「非」か。明確な答えはないが、「男女間の職域格差をなくす取り組みは、今後の女性活躍推進の重要な鍵となる」と、女性のキャリア形成に詳しい聖心女子大学人間関係学科教授の大槻奈巳氏は指摘する。女性のみ、男性のみの職制や部署、役職を減らし職域を拡大する。その先に、新たな女性活躍の可能性が開けることは確かだ。

調査概要
2017年の「企業の女性活用度調査」は、日経WOMAN編集部と日経ウーマノミクス・プロジェクトが共同実施。東証(1部・2部)・名証の上場企業と、従業員100人以上の新興市場上場企業、および外資系を含めた有力未上場企業、計4300社を対象とした。調査は日経BPコンサルティングが実施し、調査票を郵送で送付。回答は原則として人事担当者。調査期間は17年1月中旬~2月中旬。有効回答数は558社(回答率13.0%)。各企業のデータは原則として17年1月1日時点で把握できる直近のもの。社員とは正社員を指す。表示した総合得点(偏差値)が同じで順位が違う場合は、小数点2位以下で差がある。