安定した営業を続けてきた食品スーパー各社が、かつてない競争で追い込まれている。ディスカウントストアやドラッグストアといった新興勢力が食品市場へ攻勢を強める。既存スーパーは高コスト構造や同質化した売り場など弱点を克服できるか問われる。

(日経ビジネス2018年4月9日号より転載)

 神奈川県川崎市。東急田園都市線、宮崎台駅周辺には閑静な住宅地が広がるが、実はこのエリア、スーパー業界の最近の構図を象徴する”激戦地”として知られている。徒歩で約10分の圏内に東急電鉄グループの食品スーパーである東急ストアをはじめ、業界大手のライフコーポレーションや、食肉など生鮮品の格安販売が特徴のロピア(神奈川県藤沢市)など5店以上がひしめき合っているからだ。

 「ライフにはあまり安さを感じないが、ここは生鮮品などが安いので、週2~3回は利用する」。

 3月下旬の平日午前、ロピアが運営する「ユータカラヤ宮崎台店」で買物をしていた60代の男性は話した。

 ロピアと同じく、安さを売りにするのが、そこから徒歩5分ほど離れた場所にある「MEGAドン・キホーテ」。昨年、従来型のドン・キホーテから、生鮮を含めた食品を豊富に扱う「MEGA」業態に変換。地域の価格競争が一気に過熱した。