従来型の統計に優位性も

渡辺 おっしゃる通りで、私自身も、家計調査は家計調査のままでいいと考えています。もちろん、調査方法に改善の余地がありますが、確かな理論に支えられた統計調査の優位性は、ビッグデータと相対しても揺らぐものではありません。

 ビッグデータは非常に魅力的なデータソースながら、強い癖があります。もともと統計を作成するために集められたデータではなく、個々の取引データなどから副次的に得られるものですので、それ自体は日本の平均的な消費行動を捉えたものではありません。

 例えば、先ほどのPOSデータも、大手のスーパーやコンビニエンスストアなどの売り上げに限られたものになります。こういったデータ固有の癖をできる限り取り除く作業が不可欠です。

 しかし、それは容易なことではありません。統計にどのような癖が想定されるのか、ユーザーにきちんと開示して理解を得ることが、政府として必要な責任だと考えます。

 この取り組みは一朝一夕ではいかないもので、中期的な視点が必要になると思いますが、政府が取り組むべき課題として非常にチャレンジングで面白いものになると思います。

高市 ビッグデータはマーケティングではかなり一般的になってきていますが、政府統計では世界的に見てもまだまれで、未開拓と言えます。ぜひ、国際的にも高く評価され得るような指標を開発していきたいと思います。