教会も神社も借りられる
RENTAL
教会
貸します

無人島、空き家以上に意外な施設もレンタルの対象になりつつある。教会や寺、神社などの宗教施設だ。いずれも信者専用の施設だが、そうも言っていられない状況になりつつある。
東京都千代田区にある九段教会。ここではチャペルや集会場など教会内の4カ所を一般に貸し出している。維持費が年間で300万円かかる一方で、周辺住民の減少、高齢化などから信者が減り献金も減った。
髙田和彦牧師は「教会は一般の人にとって入りづらいイメージがある。日曜日の礼拝と結婚式など以外、あまり使われないスペースを貸し出すことは収入面だけでなく、教会に親しみを持ってもらう効果がある」と話す。
チャペルを使ったミニコンサート、インテリア製品の撮影、集会場を使った料理教室などが既に開催された。
人口減少が加速する地方では特に、宗教施設が遊休資産になりつつある場合もある。
拡大する変わり種レンタル市場。それは地方衰退のみならず、個人の老後不安を解消する潜在力も秘めている。
RENTAL
自宅駐車場
貸します

例えば個人の駐車場。駐車場付きの戸建て住宅を買ったが、その後、生活のダウンサイジングでクルマを売ったという人もいるはず。そうやって空いた駐車場を探し出し、インターネットで貸している企業が増えている。
大阪市に本社を置くakippa(あきっぱ)はその一つだ。スマートフォンのアプリなどを使って空き状況を確認して、1日単位で予約ができる。現在約4500カ所をレンタル仲介しており、2万カ所に増やすのが当面の目標だ。
金谷元気社長はサービス開始のきっかけについて「新事業立ち上げの会議で、社員から『コンサートにクルマで行った時、駐車場がどこも満車で困った』と課題の提案があったこと」と話す。調べてみると、東京都心や大阪市では駐車場のニーズに対して圧倒的にコインパーキングなど時間貸し駐車場の供給が少ないことが分かった。
東京都杉並区の住宅地にある戸建ての駐車場もそうした物件の一つ。1日900円でのレンタルを昨年7月から始めた。持ち主は元エンジニアで退職を機に副収入を得るため、貸し出しを考えたという。金谷社長は「コンサート会場の近所など人気スポットなら月3万円以上、稼ぐ人もいる」と話す。
駐車場付き戸建てに住みながらクルマを持たない層の代表は、高齢者だ。子供が独立し遠出しなくなったり、運転に自信がなくなったりその理由は様々だが、いずれにせよ、駐車場レンタルで年金とは別に収入の柱ができるなら、それに越したことはない。
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