嫌がらせを意味する「ハラスメント」の領域が広がりをみせている。最近、言葉として定着してきたのが「におい」によるハラスメント、通称「スメハラ」だ。体臭から柔軟剤まで原因は様々だが、サービス業を中心に企業も対策に動き始めた。

(日経ビジネス2018年1月15日号より転載)

パナソニックが配布した「汐留スタイルブック」にはにおい対策を掲載(写真=パナソニック東京汐留ビル:時事通信フォト)

 東京都港区にある「パナソニック東京汐留ビル」。パナソニックの営業部門や総務部門などが集結する東京の拠点で、昨年、風変わりな冊子が配布された。「汐留スタイルブック」。全26ページにわたって、ビジネスパーソンにふさわしい服装やマナーが列挙されている。

 マナーブックを手に取った多くの従業員の目を引いたページがあった。

 「社内で一番気になるもの、実は『ニオイ』でした」

 冒頭にこう記されたページには、同ビルに勤務する従業員に聞いた、職場で「気になる」項目が載っている(上の写真)。「タバコのニオイ」「汗のニオイ」「きつすぎる香水のニオイ」まで多岐にわたる。「どんなにキチンとした装いをしていても、ニオイで清潔感が損なわれ、悪いイメージを持たれてしまう可能性があります」と注意を促している。

 マナーブックを配布したのは、パナソニックで住宅関連事業を手掛けるエコソリューションズ(ES)社の総務部。同部の池田敬久主幹は「汐留ビルでは、エレベーター内で会話をしたり、TPOをわきまえない服装をしたりしている従業員が目立っていた。来客者からの苦情もあり、マナー改善が急務と判断して作成した」と語る。