TPPはインド・太平洋経済圏に広がる可能性あり | ![]() |
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ホーマッツ:TPPへの参加に意欲を示した国の一つはインドネシアです。もしインドネシアが加盟すれば、我々はTPPが影響力を持つ地域を「環太平洋」としてだけでなく、「インド・太平洋地域」として見られるようになるでしょう。
太平洋からインド洋へと続く貿易ルートは非常に重要です。多くの物資がインドネシアの北に位置するマラッカ海峡を通って行き来しています。従って、インドネシアがTPPに加盟することは経済、政治、戦略のいずれの面でも大きな効果を持つでしょう。
中国が今の時点でTPPに参加することは難しい。TPPが定める国有企業などに関するルールを守るのは困難です。しかしTPPはオープンです。中国が参加を希望するならば、その時は、ほかの参加国と一緒に考えて決めることでしょう。中国をにべもなく排除する考えはありません。
革新と差異化を進めよ
茂木:TPPによって魅力的な巨大市場が生まれます。ただし、これを真に魅力的な市場にできるかどうかは、我々、つまり企業とその経営者の責任が大きいと思います。自由貿易市場の中で切磋琢磨することができるかどうかにかかっている。
企業や経営者はこの市場での競争に参加し、勝つ意欲を持って戦う覚悟を決める必要があると思います。では、勝つためにはどうしたらいいのか。カギはイノベーション(革新)とディファレンシエーション(差異化)です。
これらを進めることで、需要が作り出されます。需要が創造されれば、付加価値が高まります。付加価値が高まれば、企業の収益につながる。企業の収益が高まれば、分配力も高まり、そこで働く従業員の給料も増える、配当も増える。こうしたポジティブな連鎖ができるのです。付加価値の拡大は、すなわちGDPが増えることです。最終的にはTPPに加盟する12カ国全体のGDPが増えることになる。
経営者に戦う覚悟を持つよう促すためには敗者復活のルートが必要です。これを整えることも重要なポイントだと思います。
敗者復活の仕組みを作り挑戦を促す環境を | ![]() |
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