水産資源の枯渇が懸念される中、新たな魚を流通させる取り組みが加速する。代替魚の養殖から、限られた地域で流通する「マイナー魚」の活用まで──。全国的に普及する見通しの2016年を目前に、最新事情を追った。(本記事は「日経ビジネス」2015年12月14日号からの転載です。記事中の内容は掲載時点のものです)

「ウナギ味のナマズ重」を披露する日本なまず生産の牧原博文社長(中)、有路昌彦取締役(右)ら(写真=宮田 昌彦)
水質や餌を工夫しウナギに近い味のナマズを開発した
湾内のいけすでスマを養殖(愛媛県愛南町)(写真=以下2点:菅野 勝男)
スマの成魚。クロマグロの代替として期待も

 松山市から南に100km余り。愛媛県の最南端に位置し、高知県と隣り合う愛南町。漁業が盛んな町の湾内を船で進むと、網で囲った幾つかのいけすにたどり着く。現地を訪れた11月24日は、ちょうどいけすを移し替える作業日。クレーンで網を引き上げると、やや小ぶりで青白く光る魚の群れが、海面を勢いよく跳ね回った。