国内で医療機器を販売する場合、厚生労働省による薬事承認が必須。リスクに応じて4つのクラスに分類されるが、ダビンチは「クラスⅢ」と呼ばれる高度管理医療機器。「クラスⅠ」が届け出だけで済むのに比べ、医薬品医療機器総合機構(PMDA)という厚労省の外郭団体による厳しい審査と大臣承認が必要となってくる。承認には平均半年から1年かかるとされる。メディカロイドは早めに承認が下りるクラスⅠ、Ⅱの製品を出し、市場や関係官庁への存在感を示しながら、「ポストダビンチ」開発を並行して進める予定だ。

 産業用ロボットの世界からは、デンソーも名乗りを上げている。同社は顕微鏡下での微細な手術における医者の手ぶれや手の疲れを軽減する「iArmS」を4月に発売。上腕部をiArmSのホルダーに載せ、腕を置く、静止する、動かす、といった動きを感知し、術者の動きに沿ってアームを動かす。主に、脳神経外科などで行われる顕微鏡下での手術に需要があるという。

 デンソーももともとは産業ロボットで実績のある企業。「既に二の矢、三の矢の準備はある。ダビンチは腹腔鏡下手術におけるロボット。手術のエリアは広く、ほかの手術に関して手術支援ロボットを投入していく可能性は十分にある」(デンソーの小山俊彦ヘルスケア事業室長)とする。

 産業用ロボットの世界では、ドイツの老舗機械メーカー、クーカ(KUKA)がその技術を医療向けに生かし参入済み。既に日本にも導入実績がある。メディカロイドやデンソーはこうした先達を横目に国内でのシェア獲得を急ぐ。

手術支援ロボットの市場勢力図
日本企業は、価格や仕様で特徴が出しやすく、かつスピーディーに市場に投入しやすい商品で参入を開始している(写真=左下:上野 英和、中央下:的野 弘路、右下:竹井 俊晴)