1万7000人を収容する選手村

 五輪関連では選手村を筆頭に、競技施設が複数建設される。水泳会場となるオリンピックアクアティクスセンターや、バレーボール会場となる有明アリーナなどだ。

ベイエリアで予定されている東京五輪競技会場
<b>ベイエリアで予定されている東京五輪競技会場</b>
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 現在の晴海埠頭のある一角(晴海4~5丁目)に造成される選手村は、高度成長期のニュータウン造成を彷彿させる大規模なもの。14~17階建ての宿泊棟が計22棟。そこには各国の選手1万7000人が収容できる。さらに選手が滞在中に必要な飲食施設やスポーツジム、病院などのほか、イスラム教の礼拝堂なども備える。

 大会中のにぎわいはもとより、ここ晴海地区の開発は、むしろ五輪後に本格的に始まると言っても過言ではない。この22棟は、五輪が終われば都の建設資金回収のために民間事業者に売却され、中古の賃貸・分譲マンションとして一般に販売される。「五輪選手が滞在した街」という付加価値が人気を集めると、都は踏んでいる。

 さらに選手村の跡地には、新規に50階建ての超高層マンション2棟と商業施設、小学校などが建設される予定だ。五輪から3年後の2023年に、改めて「街開き」となる。

 都は五輪後の同地区の人口の流入を1万2000人から1万5000人と試算する。「近年、日本でこれほど大規模な人口移動はない。ニュータウンとしての付加価値を上げるための整備を進めて住環境を整えていきたい」(都)。

 選手村のほかに、五輪絡みで人の流れを変えそうなのが、「海の森」だ。ここには五輪最大規模の水上競技場が建設される。カヌーやボートのコースだけで、全長2kmにもなる。

 海の森は、1973年から86年にかけて都の廃棄物を埋め立てて造成された「ゴミの島」だ。それが水辺と緑の憩いの空間に生まれ変わろうとしている。新たな都民の憩いの場として広大な公園が整備され、サイクリングやランニングが楽しめる。五輪で使われた客席棟はショップやレストラン、セミナールームなどに転用される。

<b>五輪終了後の選手村の構想。中層の選手宿泊棟以外に、2棟の超高層マンションが建設される予定</b>
五輪終了後の選手村の構想。中層の選手宿泊棟以外に、2棟の超高層マンションが建設される予定

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