日本企業の年間売上高の合計(約1350兆円)の1割強を、本社が東京駅周辺の企業が稼ぐ。「10%の街」は過去20年間で商業施設を充実、平日夜や休日も人が訪れる魅力を備えた。ただニューヨークなどは先を行く。世界に比肩する国際都市化へ10年単位の再開発が進む。

 202×年。鉄道の玄関口であるJR東京駅を挟み、特色の全く異なる2つの街が大勢の人を受け入れる。

 西側の大手町・丸の内には高層オフィスビルが林立。その1階にはおしゃれなファッションブランド店や飲食店が軒を連ねる。一方、東側の八重洲には高層オフィスビルに加え、巨大なバスターミナルが完成。しかし一歩踏み込めば昔ながらの飲食店や酒場が軒を連ねる。近未来の東京駅周辺に集うのはオフィスワーカーだけではない。旅行客や外国人、子供や孫と一緒に買い物に訪れるシニアなど、顔ぶれは様々だ。

大型の再開発が進む
●東京駅周辺の主なビルと開発案件
写真=丸ビル:共同通信、新丸ビル:時事

日本橋のコンセプトを延長

 森記念財団都市戦略研究所が毎年公表する「世界の都市総合力ランキング」で、東京は2014年まで7年連続で4位。ロンドンやニューヨークなどの後塵を拝し続けている。その東京の中心である東京駅周辺は何が足りないのか。

 例えばニューヨークのマンハッタンはグローバル企業の本社ばかりでなく、人々の憩いの場となる公園や商業施設、観光スポットが混在する。だからオフィスワーカーだけでなく、そこに住む人、観光客など目的の異なる人々が常に集う。

ニューヨーク・マンハッタンはオフィス街のほか商業施設なども混在し、多様な人を呼び込んでいる(写真=時事)

 同じように東京駅周辺を多種多様な人が行き交う街にできないか──。そんな試みが加速している。

 まずは八重洲地区。街区面積が丸の内の3分の1と小さく、中小のオフィスビルや飲食店が密集するこのエリアはこれまで、昼は「オフィス街」、夜は「オフィスワーカーの憩いの場」という2つの顔しか持っていなかった。

 しかし東京駅近くの好立地を考えると、他にも様々な機能を持つことができるはず。実際、より多くの顔を持つ一帯にしようという計画が進んでいる。

 参考にするのは日本橋だ。日本橋は三井不動産の「本拠地」。武田薬品工業やアステラス製薬など製薬大手が本社を置く。現在は創薬ベンチャーの誘致に力を入れており、東京都も起業などを後押ししている。