我々は2008年に最初のEV「ロードスター」を発売し、2013年に第2世代としてモデルS〔および同様のプラットフォームを採用したSUV(多目的スポーツ車)「モデルX」〕を投入した。モデル3が第3世代となるが、(モデルSからモデル3への)今回の進化は、ロードスターからモデルSにジャンプした時よりも大きな飛躍になる。モデル3を(2017年に生産を開始するのを)機に、より多くの国や地域で、さらにたくさんの人にEVを届けられるようになるはずだ。

テスラで技術開発を統括するジェービー・ストローベル氏(写真:行友重治)
テスラで技術開発を統括するジェービー・ストローベル氏(写真:行友重治)

EVの中核部品であるリチウムイオン電池に関しては、テスラはパソコン向けの円筒形小型セル「18650」を採用してきた。モデル3ではそれよりもひと回り大きい円筒形セルを搭載すると聞いている(関連記事2)。電池開発の方向性を聞きたい。

ストローベル:電池の種類では、リチウムイオン電池が当面は主流になるだろう。詳細は言えないが、我々は様々な形状や大きさのリチウムイオン電池を評価している。

 この領域では、電池における我々の重要な開発パートナーであるパナソニックと緊密に連携していく。モデル3に搭載する電池も、パナソニックと共同開発したものだ。こうした協力関係は、モデルSやモデルXの時から一貫して貫いている方針だ。

テスラのEVセダン「モデルS」(写真:久米秀尚)
テスラのEVセダン「モデルS」(写真:久米秀尚)

機能面に目を向けると、ソフトウエアの無線更新に関する取り組みで他の自動車メーカーを先行している。2015年10月には、ソフトウエアの無線更新で簡易の自動運転機能「Autopilot」を実用化させた(関連記事3)。

ストローベル:ソフトウエア開発には特に注力している。成長を支える最も大きな要因になるからだ。社員は全部で1万4000人以上いるが、非常に多くのソフトウエア技術者を抱えている。

 ソフトウエアの無線更新機能を浸透させる中で重要性が増しているのが、車載セキュリティーの確保だ。ソフトウエアを重視する当社の企業文化によって、他の自動車メーカーよりもより堅牢な車載セキュリティー性能を確保できていると思う。この領域の技術開発は引き続き力を入れていく。

 そのための方法の1つとして、社外のハッカーとの協力関係も構築している。彼らにクルマを評価してもらい、深刻な脆弱性やセキュリティーホールを見つけてくれたハッカーに対しては、報奨金を支払っている。クルマの安全性を高めるという目標を共有してハッカーたちが取り組んでくれるように、歩調を合わせていきたい。