ソナーだけで駐車支援をする。(a)12個のソナーを車両に搭載する。(b)後退しながらの車庫入れに加えて、縦列駐車にも対応。(c)駐車した空間の横に車両を停めてスイッチを押すと動作開始
トヨタ自動車は、新型「プリウス」に新しい駐車支援機能を搭載した。カメラを使わず、超音波センサー(ソナー)のみで実現したのが特徴だ。安価な構成とし、約278万円の「A」グレード以上の車両に標準で搭載する。
「シンプル・インテリジェント・パーキング・アシスト(S-IPA)」と呼ぶ機能で、後退しながらの車庫入れ駐車と、縦列駐車並びに出庫に対応する。車両周囲に搭載した12個のソナーで駐車する空間を認識。駐車したい場所の近くで停止してスイッチを押すと、ステアリングを自動で動かして駐車する。アクセルとブレーキは、運転者が操作する必要がある。
トヨタが2015年1月に全面改良した「アルファード/ヴェルファイア」に搭載した駐車支援機能「IPA2」は、ソナー12個に加えて、車両後方の単眼カメラ1個を使っていた。S-IPAはIPA2からカメラをなくした形だ。「安くして、駐車支援機能の普及を図る」(トヨタの技術者)ことを狙う。
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日程 :2016年4月11日(月)10:00~17:00
会場 : 品川プリンスホテル アネックスタワー プリンスホール(東京・品川)
主催 : 日経ビジネス/日経Automotive
IPA2は、カーナビと組み合わせて使う仕様になっており、オプション価格で50万円以上と高かった。カメラで白線を認識し、複数の駐車場所の中から選ぶ機能を備えていたからだ。カメラの映像を表示したカーナビの画面上で、駐車位置を指定する操作が必要だった。
一方、カメラがないS-IPAでは駐車位置を選ぶ機能がない代わりに、カーナビを省ける。液晶メーターの画面に表示するイラストや案内を見ながらスイッチを押すことで、車庫入れ駐車と縦列駐車などを選択できるようにした。
ただS-IPAでは白線を認識しないため、駐車する位置の前後や左右に他車両が停車しているときでなければ基本的に使えない。トヨタの開発担当者は、「駐車するときにユーザーが難しいと感じるのは、並列または縦列した車両の間に停めるとき。車両がない場合は駐車しやすく、支援機能の効果は低い」と理由を説明した。
12個のソナーは、車両前方に4個、側方の左右に2個ずつ、後方に4個搭載する。出力が違う検知距離の異なる3種類のソナーを使い分ける。前方と後方の8個のうち4個は検知距離を長く、広角なもので、残る4個は距離が短く広角なもの。また側方の4個は検知距離が長く狭角なものを使う。S-IPAはIPA2と同様に、障害物にぶつかりそうになると自動でブレーキをかける機能を備える。
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