ブリトニーの採卵は年3回

 「採卵後はしばらく体が妊娠しているような錯覚を覚えるの」

 既に卵子を5回以上提供したベテランドナーのブリトニー(28歳)はこう語る。カリフォルニア州でモデルをしている彼女はエッグドナー・プログラムで最も指名の多いドナーの1人。人気の高いドナーは年に3回の卵子提供を引き受けるというが、彼女はまさにそんな1人だ。来月新たに卵子提供を控えており、これを最後にエッグドナーの世界から身を引くと決めた。

売れっ子ドナーのブリトニー
売れっ子ドナーのブリトニー

 ASRMの資料には、1人のドナーの卵子提供は6回までと書かれている。それだけ体の負担が大きいということだろう。

 「今後20年ぐらいで、体がどうなっていくか観察していくつもり」とブリトニーは言う。現時点では健康に問題は見当たらないが、長期的には何かしらの影響があるかもしれない。そんな説明を受けたと彼女は語る。

 卵子提供はこの数年の技術革新を経て、新たなステージへ突入した。

 業界のブームは凍結卵子だ。これまでは顧客とドナーの肉体的なサイクルを見て採卵と移植がなされたが、冷凍であればそういった問題は発生しない。通常の卵子提供と比較して失敗率は10%上がる程度だが、金額は半分からそれ以下にまで下がる。エッグドナー・プログラムは既に150人分のドナーの冷凍卵子を保有しており、毎日のように顧客から問い合わせを受けている。

 「私たちは不妊に悩む人々がどれだけ子供を望んでいるかを知っています。そんな望みを見ず知らずの他人が叶えてくれる。だからこそ、人々はドナーのことを“エンジェル”と呼ぶんですよ」

 顧客は世界中からスミスの下に訪れる。35%から40%は海外からの依頼だという。

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