エッグドナー・プログラムにはおよそ300名のドナーが所属している。指名が集中するのはほんの一握りだが、所属する女性はそろいもそろって美人ばかりだ。

 それもそのはずだ。毎月およそ100名ほどの女性がドナーに応募するが、審査を経てこのエージェンシーに登録が許されるドナーはそのうちわずか5%しかいない。審査は厳しく、遺伝学者に依頼してドナー希望者の遺伝的な情報を3代遡って審査する。健康が大前提のため、持病や病歴などから候補から外れていく人は少なくない。

 もちろん、ドナーの人格も審査する。遠いところに住んでいる場合はスカイプで面談する。「お金がほしい」と連呼するような人は採用しない。そういった審査を終えた上で、選考の基準として大いに重視されるのは外見の美しさだ。若くて健康でも顧客から選ばれなければ所属させる意味がない。

エッグドナー・プログラムの創立者で社長のシャーリー・スミス
エッグドナー・プログラムの創立者で社長のシャーリー・スミス

売れっ子ドナーの指名料は2万5000ドル

 それでは売れっ子ドナーほど卵子は高いのか。答えはもちろんイエスだ。一流大学や医学部を出ている高学歴のドナーは卵子も高額で、下は8000ドルから上は2万5000ドルまで幅広い。

 ドナーに払うお金が卵子提供の費用の全てではなく、ドナーの紹介料や医療費など様々な料金が加算されるため、1回の卵子提供の処置にはおよそ4万ドル(484万円)から6万ドル(726万円)を要する。どこのエージェンシーを使うか、どこのクリニックを使うか、どのドナーに頼むか、どんな薬を使うかなど、様々な理由で料金は大きく変動するのだ。

 学歴や見た目で卵子の値段が変わることに戸惑いを覚えるが、今のところ卵子売買に関わる規制は存在しない。米国生殖医療学会(ASRM)は、卵子提供によってドナーが1万ドル以上を受け取ることは適切ではないとガイドラインに記している。だが、ガイドラインであって法律ではない。また、卵子提供は寄付(ドネーション)であって売買ではないというのが建前である。報酬は謝礼であって代価ではないため、規制の入る余地もない。

 なお、契約が決まるとドナーは健康診断を受診、ホルモンを投与して卵子が生成されやすい体に作り変える。連日医師の下で超音波テストを受け卵子の生育状況をチェック、最後に卵巣に針を刺して卵子を摘出する。摘出自体は20分ほどの作業だという。

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