山根:観測技術の向上で、現在、どれくらいの小惑星が発見できていますか?

吉川:約73万個です。正確に軌道がわかると「確定番号」がつけられますが、それが約49万個あります。うち、地球接近小惑星(NEO=Near Earth Object)が1万6000個。

山根:1万6000個もが地球に接近!

吉川:この数は毎年増えています。

山根:地球に衝突するおそれのものも?

吉川:いや、この1万6000個は軌道計算が終わっていて、地球に接近はするが近い将来に地球にぶつかる心配はないことがわかっています。大きさでいうと、直径1500m以上で地球に接近する小惑星のうち、7~8割以上は発見したかなぁという印象です。

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山根:恐竜を初め地球の生物の大半が絶滅した6500万年前のような、小惑星衝突はない?

吉川:恐竜を絶滅させた直径10km級の天体衝突は、数百年から数千年は心配しなくていいでしょう。

山根:それは、ひと安心。そうか、映画『ディープ・インパクト』や『アルマゲドン』では人類滅亡につながる小惑星の地球衝突がテーマでしたが、公開時はまだ小惑星の十分な観測ができていなかった時代ゆえ、ああいう危機を煽るストーリーが作られたんですね。と、いって安心してはいけない?

「1500m以下」で観測できたのは1%以下

吉川:問題はより小さい小惑星でまだ発見されていないものが多いことで、早く見つけないといけないんです。

山根:その1500m以下の小惑星、どれくらい見つかっていますか?

吉川:観測できたのは推定で1%くらいでしょう。未発見の99%に地球衝突の可能性が含まれているおそれがあるわけです。

山根:どういう方法で観測を?

吉川:世界各国の天文台で小惑星の観測プロジェクトを行っているところでは、自動観測プログラムを駆使しています。

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