日本が合成した新しい元素、「113番目の元素」に対して、日本に元素名の命名権が与えられたという大ニュースが大晦日に飛び込んできた。待ちに待ちに待ちに待っていた朗報が、やっと届いた。あらゆる科学の基本である元素のリスト、周期表に初めて日本発の元素が記される。近々、その元素名が発表されるのが楽しみだ。

 森田浩介さん(理化学研究所仁科加速器センター・森田超重元素研究室准主任研究員)が3個目の「113番目の元素」の合成を確認した直後、私は、理化学研究所(埼玉県和光市)の仁科加速器センターに森田さんを2度訪ねて長年の取り組みを詳細にインタビュー、また「113番目の元素」を合成した「現場」も子細に見せてもらった。

新元素の創成への苦労と「113番元素」発見の経緯を語る森田浩介・准主任研究員。(写真:山根一眞)

 そして、森田さんの人生も含めて長いレポートを「日経ビジネスONLINE」に2回にわたり掲載した。「113番目の元素」の命名権が日本に与えられることは確実だと信じていたが、朗報はなかなか届かなかった。あれから3年と4か月。2015年の、よりもよって大晦日にその朗報が届き歓喜しています。暗く重いできごとが続いていた理化学研究所だが、日本の科学史に輝かしい1ページを飾る栄誉を手に晴れやかな気持ちで新年を迎え、さらなる未踏の科学の成果へと邁進してほしい。

 森田さんは、「113番目の元素」の合成を目指して長く厳しい日々を過ごしてきた。その最終段階では、がんで闘病中だった夫人を失うという辛い経験もされている。森田さんを支え、励まし続けた奥様も天国でこの朗報を喜んでおられると思います。

 この朗報の意味を皆さんに、あらためて広く知っていただきたいと思います。
 ぜひ2012年10月と11月に公開した私のレポートを読んでいただき、2016年の日本の科学界のさらなる発展を祈願していただければ幸甚です。(2015年12月31日、午後11時35分記す。山根一眞)

■113番目の元素を創り出した壮絶な日々(その1)

■科学界の悲願「113番元素」の合成に成功!(続報)
その快挙に学ぶ科学とモノづくりの「日本力」