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 撤退した理由は効率の悪さ。そして、客にとっての選択肢の少なさだ。

 「売り場があるといっても、広いスペースをもらっているわけではないので、お客様が商品を選べなかったんですね。ミニ四駆もRCカーも自分好みの1台を作り上げることができるカスタマイズ性の高さが魅力なのに、それが発揮できなかった。万引き防止など商品管理の問題にも頭を抱えていたし、送り込む販売員のコストもかさんでいました。その割には売り上げは決して多くない。将来を考えれば、一時的に数字が下がっても撤退をするのが正解だと判断しました」

 この判断は予想以上の成果を挙げた。販売がダウンしたのは最初の数カ月だけ。ラジコンショップなど他の小売店への卸が増え、数字はすぐに上昇基調に転じた。百貨店で扱っていない商品になったからこそ専門店での扱いが伸びたのだ。

自力で回る生態系を確立

 シーコンスクエア、ファッションアイランドといった大型ショッピングモールに特設したサーキットで毎月のように開催しているミニ四駆の大型イベントの効果も大きい。若い世代が休日を過ごす場所であるショッピングモールに出現したサーキットは、新規ファンの開拓とリピーター増に貢献した。

 もうミニ四駆の売れ行きに大きな凸凹はない。毎年コンスタントに売れ続けている。

レースに出場できるRCカーは最低でも1万5000バーツ(約5万1000円)。ファンは一部層に限られるがそれでも着実に増加中だ。

 「タイには屋根付きで広いRCカーのサーキットがいくつもあるので、RCカーのイベントも年に5回は開いています。毎年2月に開催するレースには世界各国からトップ選手たちが参加していますし、モーターショーの会場にもイベントスペースを設けていますよ。いまでは年に11回開かれているアジア大会のうち4回がタイでの開催です」