
沖縄生まれの製法を使ってタイで生産された雑貨が、タイの土産品として、タイを訪れる中国人観光客に受けている。
「日本→タイ→中国」
この、痛快な芸当を成し遂げているのが、沖縄・与那原町の新垣瓦工場だ。
チャオプラヤー川沿いにある屋外型巨大ナイトマーケット、アジアティーク・ザ・リバーフロント内で同社のタイ現地法人が運営する2つのショップを訪ねてみよう。タイ旅行の記念にふさわしい土産品を探そうとやってきた中国人が、赤瓦製のコースターやアロマストーン(アロマオイルを染み込ませて香りを楽しむ石)を楽しそうに手に取っている光景が目に飛び込んでくるはずだ。
バンコクのナイトマーケットの人気商品
価格は、コースター、アロマストーンともに1個200バーツ(約640円)。水をみるみる吸い込み蒸発させる抜群の性能、コンパクトでセンスの良い色と形、まあまあ手頃な価格。機能とデザイン、価格の3つを備えた赤瓦製品は、チープでキッチュなグッズがひしめくアジアティークの中で独特の存在感を放っている。

専務取締役の新垣拓史氏は言う。
「商品にはタイのシンボルともいえる象やトゥクトゥクの柄を浮き彫りにしました。パッケージには日本語も表記していますが、製品としては完全なメイドインタイランド。粘土もタイで調達し、沖縄からプレス機を持ち込んで、タイ土産として製造販売しています。日本ではコースターがよく売れますが、タイではアロマストーンの人気が圧倒的。売上の9割がアロマストーンですね」

なぜ沖縄の新垣瓦工場がタイで土産品を売るに至ったのか。きっかけは2004年にさかのぼる。
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