小麦粉を入れると楽しいですよ!
繊細な手作業が可能にしたマルサバルーンは2012年から発売をスタート。従来のパッキング風船とは異なり、主にセレクトショップや雑貨店で販売されている。ギフトとしての需要も高いのが特徴だ。一番人気は「マンマルピィー」、次が2色の「ツートンバルーン」。どれも遊び方は特に提示していない。風船に遊び方はないと考えるからだ。

「中に水を入れてもいいし、小麦粉を入れてもいい。小麦粉は特に楽しいですよ。粘土みたいに自由に形が変わりますからね。店頭に置いていてもしぼみようがない。片栗粉? それもいいけど値段が高い。お米も入れてみましたが、表面がぶつぶつぼこぼことしてしまってかなり見た目が気持ち悪くなる(笑)。小麦粉は細かくてちょうどいいんです。ただ、これと決めずに自由に遊んでもらいたいですね」
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「マンマルピィー」は、口を縛ると豚の形になる風船。中に小麦粉を入れて指のエクササイズにも使える。 |
2013年には、後継者がいなかった銚子の手作りゴム風船工場を譲り受ける形で取得。2015年からは若い従業員を送りこんで修行させ、2017年からは新しい体制でスタートし、機械生産では作れない、さまざまな場面で利用してもらえる風船にチャレンジしている。
タイからヨコ展開、フィリピンに進出
気になるのが売上の7割から8割を占めているタイの工場だ。国内市場の少子化進行でさすがの収益源も細る一方なのではないか。そう尋ねると、斉藤氏はきっぱりとこう言った。
「タイでの経験を横展開しています。2014年からはフィリピンに進出しました。フィリピンのショッピングモールに平日に行くと、日本の地方のイオンモールのように人がいる。みんな働いていないんじゃないかと思うほど多いですよ(笑)。出生率も3以上あって、人口ピラミッドは日本とは対照的。ここでぜひ子ども向け商売をやりたいと考えました」
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