セックスレスの国の製品が、世界を席巻?

 「セックスする人が減り、回数まで減っている。仕事が忙しいとか、ネットが普及し、1人で過ごす時間が増えて、カップルで過ごす時間が少なくなっているとか、いろいろな理由が考えられます。その一方で、HIV感染者が増えている。この問題をクローズアップし、もっとコンドームの使用を訴求していくことが大事だと思いますね」(肥田氏)

 HIV感染のリスクに関する予防啓蒙活動の一環として、コンドームの利用を促進するのは大賛成だが、それだけではシュリンクする市場を回復させるのは不可能だろう。となると、やはり海外に打って出るしか活路はない。

 オカモトのブランド力はまだ世界的に見るとそう強くはない。だが、海外市場での出荷数は大きく伸びている。世界で一番セックスをしない国から生まれたコンドームブランドが、セックスをたくさんする国の家族計画を担い、HIVや性感染症予防に役立っていく。そんな未来は皮肉だが痛快だ。

クラブRUSHで、「003」を始めとするオカモトのコンドームをサンプリングするカバーガールたち。
クラブRUSHで、「003」を始めとするオカモトのコンドームをサンプリングするカバーガールたち。
■変更履歴
記事掲載当初、本文中でマレーシアでのオカモトのシェアを「50%」としていましたが、正しくは「20%」です。また、タイでのファミリーマートの店舗数は750ではなく1200でした。お詫びして訂正します。本文は修正済みです [2016/02/03 11:30]
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