スーパーで販売されているエコバッグ。「リデュース、リユース、リサイクル」などエコを啓発する文言が入るバッグもある
スーパーで販売されているエコバッグ。「リデュース、リユース、リサイクル」などエコを啓発する文言が入るバッグもある

 インドネシアの首都ジャカルタでも、深刻化するゴミ問題の解決に、市や企業が乗り出しています。2014年頃から、市内でゴミ箱の設置が始まり、今では道路脇などに分別できるゴミ箱が目立つようになりました。以前は道端や河川にゴミを捨てる人も見られましたが、今はゴミ箱に捨てる習慣がようやく定着してきています。

 さらに一歩進んで、インドネシアではゴミをリサイクルする意識も芽生え始めています。その意識向上に少なからず影響を与えているのが、大学講師のバンバン・スウィルダさんが始めた「ゴミ銀行」です(詳細は「インドネシア、ゴミの持込で診察無料に」)

 住民が窓口に古紙やプラスチック、金属、ビンなどリサイクル可能なゴミを持ち込むと、通帳にその種類や量を記帳して倉庫に預かります。そして、月に一度業者に売却して得られた代金を、重量に応じて各自の口座に分配する仕組みです。

 住民にとっては、ゴミを持ち込むたびに僅かながら預金が増えることが、継続する動機付けになります。加えて、ゴミ問題を真剣に考えることや、エコ意識の向上にもつながるというわけです。

 実際に日本の研究者による調査では、ゴミ銀行周辺の住民はゴミ分別の重要性の理解やゴミ問題への意識が高いことが示されています。日本でも、子どもの教育や住民の意識向上の一環として、あるいはスーパーなどの商業施設が集客の施策として、ゴミ銀行を展開すると面白いかもしれません。

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