和のハイブリッド「鯛パフェ」が大ヒット

 最後にアジアに広がる注目のスイーツの一つを紹介しましょう。それが、「鯛パフェ」です。

鯛焼きの口にパフェが盛られたインパクト大の鯛パフェ
シンガポール店では行列ができるほどの賑わいだ

 文字通り、鯛焼きとパフェを融合させたハイブリッドスイーツで、鯛焼きのお腹の中身はお馴染みの小豆あんなどが入り、さらにはパカッと大きく開いた鯛の口部分に苺や生クリームなどのパフェが盛られた、超変わり種スイーツです。

 ポイントは、ハイブリッドスイーツであると同時に、和スイーツであること。つまり、アジアを席巻している2つのトレンドが備わっているのです。このコンセプトで売れないわけがありません。

 実際に、シンガポールに3店、ジャカルタに2店、台湾、香港にそれぞれ1店オープンし、それぞれの国で「鯛パフェブーム」を起こしています。1日800~1000人が訪れる店もあるようです。客単価は日本円にして400円程度で、各店の月間売上高は300万~500万円と、とても好調のようです。

 鯛パフェを提供する「tai parfait」は、2010年に大ふく屋グループが千葉のプレナ幕張に開業したのが最初。国内では神奈川の横浜ワールドポーターズ店と合わせて2店のみで、今年9月、大阪の心斎橋オーパに、関西1号店を出店する予定です。それに対し、アジアなど海外企業からの出店依頼の申し込みが殺到、既に7店展開しています。大ふく屋の林正勝社長は、「現在もモンゴルやマカオ、マニラから出店依頼が来ている」と話しています。まさに飛ぶ鳥を落とす勢いです。

 今後、鯛パフェのように、「ハイブリッドスイーツ×和スイーツ」のコンセプトをベースに他のスイーツをアジアで展開することは有望でしょう。例えば、冒頭で紹介したクロナッツやクロフィンの生地に抹茶を練り込んだり、中に小豆あんを入れたりするなど、いいとこ取りの組み合わせによって、新たなヒット商品が生まれるかもしれません。

 その際大切なポイントは、ひと目で日本由来であると現地の人に伝わる「わかりやすさ」と、見た目の「インパクト」です。鯛パフェも、鯛焼きの独特な外観で和スイーツであることが瞬時に認識でき、さらに大きく開いた口からパフェがこぼれそうに盛られています。インパクトが強いほどSNSでも拡散しやすくなります。ハイブリッドスイーツと和スイーツのブームが続きそうな今、アジアで新たなスイーツビジネスを仕掛けてみることは有効と言えるでしょう。

 本コラムでは、アジア各国の最新トレンドを発信している「TNCアジアトレンドラボ」の情報をベースに、トレンドを深掘りした記事を連載します。次回のテーマはフィリピンとインドネシアの「家族愛」です。家族愛によってそれぞれの国で爆発的に売れている商品について取り上げます。