「人」だけでなく「モノ」も運ぶ便利屋

 GO-JEKが便利なのは、運送する対象が人だけに留まらない点です。実は「モノ」も運びます。

 自宅やオフィスにいて、他の場所に何かを届けたい場合は、GO-JEKのアプリを立ち上げて宅配サービスを選択。すると、近くのバイクタクシーが来て、目的地にモノを届けてくれます。言ってみれば、日本のバイク便と同じサービスです。

 また、登録されているレストランの料理もGO-JEKの運転手が運んでくれます。アプリ上のメニューから持ち帰り可能な料理を選択するだけで、運転手がレストランに出向き、家まで料理を持ってくる出前代行サービスも提供しているのです。

スマートフォンの画面でGO-JEKのアプリを見せ合うインドネシアの若者(TNCアジアトレンドラボのパネラー)。GO-JEKの利用者は急増している
スマートフォンの画面でGO-JEKのアプリを見せ合うインドネシアの若者(TNCアジアトレンドラボのパネラー)。GO-JEKの利用者は急増している

 買い物代行サービスも提供しています。スーパーマーケットやショップなどの店名と品物を指定すると、GO-JEKの運転手が代わりに買いに行き、家まで届けてくれます。

 特に重宝されるのが、ビールなどアルコール飲料の買い物代行です。インドネシアはイスラム教徒が国民の9割を占め、イスラムの教えでは原則的に飲酒が禁じられています。

 しかし人によってはお酒を飲むことがあるのも実情。政府は、「若年層の飲酒は問題」と、彼らがよく利用するコンビニでのアルコール飲料の販売を2015年4月から禁止しました。

 ただし、スーパーはアルコール飲料販売禁止の対象外。そのため、自宅からスーパーが離れている場合、GO-JEKにアルコール飲料の買い出しを頼む人が増えているようです。宅配や出前、買い物はいずれも運転手が今どの辺りを走っているかが、アプリの地図上に示されるため、状況を確認しながら到着を待つこともできます。

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